エピローグ ~悠太~ | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

木々のざわめきが聞こえる。


(なにしてんだかな・・・)


悠太はそれらの木々を見つめながら苦笑した。


振るつもりなんてなかった。


振られたあの日から、ずっと引きずってた相手。もう一度やり直せたら。そんなことを何度も思った相手。


「好きだよ」


そう告げて、やり直そうと思っていた。


なのに・・・。わざわざ自分からそれを手放した。


菜穂のことは好きだ。けれど、自分が出した結論に自信が持てない。


もう綾音の笑顔を見ることは絶対にできない。


今、脳裏に浮かぶ綾音の顔は・・・涙を流した悲しそうな顔。


「馬鹿みたいだな・・・」


自分は綾音のそんな表情を見たかったわけじゃない。


その時、ケイタイのバイブ音が鳴る。


『もしもし?』


『もしもーし。今何してた?』


電話の相手は菜穂だった。


『なんにもしてないよ』


『そうなんだ。暇だったら今から会ってくれない?』


『いいけど・・・今夜だよ?』


『夜だからだよ!』


『・・・?分かった』


時間と場所を決めて、電話を切る。


今から・・・何の用だろうか。


待ち合わせの五分前に、約束の駅に着く。


すると、いつからいたのだろうか、そこにはもう菜穂の姿があった。


「ごめん、待った?」


ありふれたセリフを菜穂に投げかける。


「全然。さっき来たところだよ」


菜穂は笑顔で答える。


「そっか。それで・・・どうしたの?」


「むー。やっぱわかってないんだね」


頬を膨らませて、菜穂は悠太を睨む。


「え、ごめん・・・」


「今日でね、半年になるんだよ。私たち」


この場所で待ち合わせをして・・・。菜穂はその言葉を添える。


「あ・・・」


日付を確認して、思い出す。そっか。あの日も待ち合わせは夜だった。


「思い出した?」


「うん。半年ってすごいよな」


悠太は頬に指を滑らせる。


菜穂との数々の思い出が蘇る。そして、綾音との記憶が一つずつ消えていく。


これでいいんだ。


「悠太君。これからもよろしくね」


菜穂はその手を握って言った。


「うん。こちらこそ」





今と半年前と。自分の感情は大きく違う。


代わりでもいいから。その言葉から始まって・・・。


今は、綾音よりも大事な相手になってるんだ。


「菜穂、好きだよ」


今なら、その言葉をまっすぐに伝えることができるんだ。




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悠太編でした。


いかがだったでしょうか?


明日は綾音編で、午前11時の更新となります。


こちらもぜひ見てください。