~side悠太~
何も変わらない日常が苦しくて辛い。
変えられない自分が情けない。
「引きずりすぎだよな・・・」
後悔は大きい。別れの時に、納得のいく理由を聞くまで粘ればよかった。
物わかりがいい自分なんて演じなければよかったのに。
まぁ・・・何を考えても現状は変わらない。
綾音と別れて、菜穂と付き合って。
今はそれなりに楽しく暮らしている。・・・わだかまりは残っていても。
だから考えちゃいけない。忘れなくちゃいけない。
わだかまりを消し去って、菜穂と・・・。
あの時のような偶然はもう起こらないんだから。
「ふぅ・・・」
ため息を一つ。
その時、ケイタイから受信メールを知らせる音楽が鳴った。
菜穂だろうか。悠太はケイタイを開く。
「え・・・」
悠太は絶句した。
そこにはどこか見覚えのあるアドレスが表示されていて、その下、件名の欄に『綾音』と記されていた。
綾音からのメール・・・だろうか?
それとも、いたずらメール?いや、いたずらにしては名前が直接的すぎる。
やっぱり、綾音からか。
手が震える。
なんで綾音が・・・自分にメールを?
そんな疑問を抱きながら、本文を開く。
すると、そこには一言だけ。
『好きです』
そう書いてあった。
(うそ・・・)
当然、その言葉を見て、悠太は嬉しかった。
ずっと好きだった人からの告白。もう諦めかけていた人からの告白だったのだから。
けれど、手放しには喜べない。少し複雑な心境になる。
今、悠太には菜穂がいるのだ。
綾音と付き合うということは、菜穂と別れることになる。
けれど、当然のように悠太は綾音が好きで・・・。
「決まってる」
悠太は誰もいない部屋の中でそう呟いてメールを打つ。
自分がどうすべきか。どうすればいいか。その答えはすでに頭の中にある。
『明日の夜8時に会えないかな?』
そう送ると、綾音からの返信はすぐに返ってきた。
『わかった』
『じゃあ、また明日』
『うん』
2人のメールのやり取りはすぐに終わった。
悠太は、一度消したアドレスを再度登録する。
≪倉橋綾音≫
愛おしく・・・切なさを思い起こさせるその名前。
悠太は苦笑しながらアドレス帳に戻ったその表示を見た後、ケイタイを閉じた。
もう一度・・・綾音と。
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次回が最終回です。
エピローグを含めると二回ですね。
さぁ・・・悠太がどんな答えを出すのか。
ついに、2人が出会います。
この話、短編でしたが・・・。
最後までお付き合いください!
ではまた明後日!