33話 それでも私は | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

好きだよ。


宛先を悠太にして、本文にそう打ち込む。


そして、自分だと分かるように件名に「綾音です」と自分の名前を記す。


そこまで打って・・・。


けれど、送信ボタンは押せない。


カチ・・・カチ・・・カチ・・・。


時計の針が一定の速さで進んでいく。


その無機質な音だけを聞きながら、綾音は送れないそのメールをじっと眺める。


送ったら、悠太君はどんな反応をするだろうか。どんなメールを返してくるだろうか。


なんとなく、予想はつく。


「ごめん」


ただ一言。そんな素っ気ないメールが来る気がするんだ。


彼にはきっと、新しい恋人ができているはずだ。


そんな彼にこのメールを送ったらどれだけの迷惑をかけるだろう。


我儘な想いから彼に別れを告げて。


我儘な想いから、もう一度やり直したい。そう彼に伝えて。


自分勝手にもほどがある。


・・・それでも。


悠太が好きなんだ。


ふぅ・・・。


一つ息を大きく吐き出す。そして、ゆっくり目を閉じた。


今までの悠太との思い出が綾音の脳裏によみがえる。


最初のデート、最初のキス。


2人で過ごした数々の場所や、掛け合った言葉。


幸せだった。すごく。


・・・もう一度、やり直したい・・・な。


キスは好きな人がいい。


心から、迷いなく、好きだ。そう言える相手がいい。


綾音はゆっくりと目を開けて、親指を送信ボタンのところに置いた。


そして、ゆっくりとそのボタンを押す。


送信中。その表示が出た後、すぐに送信完了の表示が現れる。


「・・・送っちゃった」


綾音はゆっくりとケイタイを閉じて、枕に顔を伏せる。


「返信、怖いなぁ」


悠太からの返信は断りのメールなのか、もう一度。そんな意味を含めたメールなのか。


返信が来るまでの一秒一秒が長く感じる。


時計の秒針の音だけをただただ耳に入れる。


もう10分は経っただろうか。


悠太はメールの返信はけっこう早い方だ。


バイトはあの頃と同じなら深夜のバイト。この時間はメールを返せる時間のはず。


そう思っていた刹那。ケイタイのバイブ音が部屋中に響き渡った。


きた・・・。


綾音はゆっくりと開いて、宛先を確信する。


「悠太から・・・だ」


ドクン・・・ドクン・・・。


胸の鼓動が速くなる。


綾音は目を閉じて、開くボタンを押す。


そして、ゆっくりと目を開けた・・・。




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短いですね。


長くできませんでした。


昨日更新、するはずだったのですが・・・疲労で・・・。


今日の更新になってしまいました。


次回は明後日の木曜日。


悠太編です。


悠太がどんな心境で、どんなメールを返すのか。


是非見てください!


木曜日絶対更新します。


もうすぐクライマックスです。