32話 キス。 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

それは突然に、何の前触れもなく訪れた。


図書館からの帰り道。行きと同じように、2人で自転車に乗って、来た時と同じ道を通る。


けれど、それはすべて同じという訳ではなく・・・。


「公園、寄っていかない?」


「いいよ」


2人は家の近くにある公園に行った。


「久しぶりじゃない?この公園」


「そうだね。懐かしい」


そこは小さい頃、2人がよく遊んでいた公園。近場にあるとはいえ、この歳になって公園に来ることなんてなかなかない。


辺りを見渡すと、遊具など何も変化はなく、あの頃にタイムスリップしたように感じる。


淳一はブランコに乗って、小さく漕ぎ始めた。


少しずつ力を加えていき、揺れる幅がどんどん大きくなっていく。


ブランコの鉄がしなる音があの時を思い起こさせる。


「危ないよ、淳一!」


「大丈夫だって」


無邪気に走り、ブランコに立ち乗りして、勢いよく力を加える。


「もー。少しは言うこと聞いてよ」


「やーだよ」


あの頃の淳一は弟のようで・・・。


「綾音」


淳一は綾音の名前を呼んだ。その声で現実世界に引き戻される。


ブランコにいる淳一は恋人としての今の淳一。


時の流れの大きな変化に苦笑する。


「何?」


綾音のその言葉の後、淳一は揺れているブランコから飛び降りて、好きだよ。


照れながら口にした。性格は変わらない。危なっかしいままだった。


「ありがと」


綾音は、好きとは言わなかった。ただ、相手の気持ちを受け入れるだけ。


付き合っているのは確かだけど、実感というものがあまりない。


幼馴染のころと何も変わらない。


『まだ』手も繋いでない。キスもしてない。


それはきっと淳一も同じだったのだろう。そっと、近づいてきて、綾音を抱きしめる。


恋人である。それを綾音にも自分にもわかるように強く。


綾音はそれを拒絶することなく受け入れる。


・・・嫌じゃない。


数秒で、淳一は綾音から離れる。


そして、今度は顔をゆっくりと近づけてくる。


キスをするんだ・・・。


綾音は目を閉じた。と、同時に淳一の唇が触れる。


刹那の反応だった。ズキン・・・胸が痛む。それと同時に悠太の顔がなぜか浮かんでくる。


触れたのはほんの一瞬。すぐに唇は離れる。


目を開けると、そこには恥ずかしそうに下を向く淳一。


そんな淳一に綾音は罪悪感を抱いて、泣きそうになる。


(ごめんね・・・)


心の中で綾音は呟いた。


淳一のことは嫌いじゃない。けれど、嫌だった。


キスは簡単なものじゃない。自分にとってそれは大好きな人としかできない大きなものだった。


失いたくない。それだけではできないほどの・・・。





家に帰り、綾音はベッドに寝転がる。


はぁ・・・。そうため息をつきながら。


そして、携帯を開いて・・・まだ消していない悠太のアドレスを呼び起こした。


送れるはずのないアドレスを。




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・・・展開を急ぎました。


なんか、まとまってないですね><


ん~・・・だめだなぁ。


もうすぐ終わりを迎えます!


次回は月曜日です。