13話 想いの強さ | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「公園デート、どうでしたか?」


菜穂は小首を傾げながら聞いてきた。


「思ったより楽しめましたよ」


「それはよかった」


電車に揺られながら2人は最寄駅まで向かう。


時刻は午後6時を回り、辺りが漆黒の闇へと染まっていく。


「まだ、暗くなるのが早いね」


電車の窓から見える空を眺めながら菜穂は言った。


「そうだね」


門限とかあるんだっけ?悠太はつづけて聞いた。


「・・・ほんと、佐野君は私のことを知らないよねー」


あからさまに不満そうな顔で菜穂は悠太を睨む。


けれど、それは本当に怒っているわけではなく冗談交じりに。


「ごめんごめん」


「別にいいけど。じゃあ、覚えておいてください。私は1人暮らしです」


「そうなんだ?」


「初耳?」


「うん。初耳」


「そっか。まあ、とりあえず、門限などというものはないよ?」


佐野君は実家暮らしだよね?菜穂が聞く。


「うん、そうだよ。逆に何で知ってるの?」


「好きな人のことは知ってるもんだよ。付き合う前まではストーカーみたいな感じだったから」


彼女は言う。


好きな人のことは調べる。何でも知りたいと思う。


それが普通の感情。


でも、自分にはそんな感情は欠落しているのかもしれない。


綾音のことを深く知ろうなんて考えたことなかったからな。


そんなことを考えながら苦笑する。


今考えるべき相手は綾音じゃない。


「で・・・さ」


「ん?」


「佐野君はまだ時間は大丈夫?」


「大学生の男に門限が存在すると思うか?」


「家によってはあるのかなーって」


薄く笑いながら菜穂は答えた。


「まあ、家によっては。でも、俺の家には存在しません」


「そっか。じゃあ、今日・・・泊っていかない?」


菜穂は少し顔を赤らめながら悠太に聞く。


「え・・・と・・・」


菜穂の提案に少しだけ、返答を出せずに戸惑う。


急過ぎる話。それにまだデートは二回目。


まだ早いんじゃないのか?そんなことを思う。


家に行ったからといって、確実にその行為が行われるわけじゃない。


けど、当然自分の理性もそこへ絡んでくる。


「やっぱ・・・だめかな?」


しゅんとした寂しそうな顔を菜穂は見せる。


そんな表情を見て思わずダメじゃない。そんなことを言ってしまう。


菜穂の寂しそうな顔は見たくない。


笑顔が見たい。そんな思いから反射的に出てしまった言葉。


「やった!」


菜穂はそう言いながら、続けて、よかった。と安堵の笑みを浮かべた。




日が完全に落ちて、街灯だけが頼りの夜の街中。


「夕飯、何が食べたい?」


街灯に照らされている菜穂は一段と可愛らしく見えた。


「え、何でもいいけど。料理とかできるんだ?」


「1人暮らしでできなかったら問題だよ」


明るい菜穂の声は暗い街中でも何も変わらない。


「確かに。じゃあ・・・ハンバーグとか」


「意外」


悠太の言葉に、菜穂はそう返した。


「なにがだよ」


「ハンバーグってところが」


「なにかいけなかった?」


「思ったより子供っぽいんだなって」


嫌味というより、からかうように菜穂は言った。


「菜穂ほどではないけど?」


「むー。私は子供っぽくないから!」


「どこが」


苦笑しながら言う悠太に頬をふくらます菜穂。


こういう馬鹿っぽい会話も悪くないな。


悠太はそんな風に思いながらそっと、菜穂の手を握った。



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