14話 少しずつ積もる物 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

家の中はシンプルで、無駄なものが一切ないように思えた。


「あんまりじろじろ見ないでよ」


恥ずかしそうに菜穂は言う。


「思ったより落ち着いた部屋なんだなって思って」


「そう?普通だと思うけど」


ここに座って、菜穂は悠太をソファに促す。


ソファは2人か3人くらい座れそうな大きなもので、1人暮らしには珍しい物だった。


もしかしたら金持なのかもしれない。


そんなことを思わせる。


「ありがと。部屋、ピンク一色みたいなのを想像してた」


冗談交じりにそう言うと、そんな部屋疲れちゃいそうじゃない?菜穂は苦笑いを浮かべながらそう返した。


白で統一された部屋は最近住みだしたかのように綺麗で落ち着いた空間になっていた。


菜穂には合わない気がする。


そんな部屋。とは言っても、菜穂のことをそこまで知っているわけじゃない。


合わない。そんなことを言うにはまだ程遠い。


キスもしたことない2人はそんな関係にすぎない。


「ハンバーグでいいんだよね?ちょっと待ってて」


菜穂はエプロンを取り出して、キッチンの方へ向かう。


「もう作るの?」


「だって、もう7時だよ?佐野君の家ではもっと遅いの?」


意外そうな顔で菜穂聞く。


「そうじゃなくて・・・今帰ってきたばっかだし、疲れてないのかなって」


「お、優しいね。じゃあ、少し休憩してから作る!」


菜穂は取り出したエプロンを畳んで、悠太の横に座った。


2人の間には、まだ距離がある。


近寄ろうかなそんなことを思っていると、


えへへ。菜穂は小悪魔とは程遠い、無邪気な笑みを見せて、悠太の方へ近寄った。


そして、悠太の肩にそっと頭を乗せる。


「夢だったんだよね」


菜穂がポツリとつぶやいた。


「なにが?」


「好きな人にこうするのが。ねぇ、佐野君。知ってる?君が私の初めての彼氏なんだよ」


「えっ・・・そうなんだ」


思いもよらぬ言葉だった。


積極的で明るくて。可愛らしいようにで、とてもモテそうに思える菜穂。


そんな彼女には昔、彼氏の1人や2人はいたのだろう。


などと勝手な想像をしていた。


少しずつ、彼女のことが分かっていく。


意外と思っていたことや、そうでないことも。


菜穂が頭を起こして、テレビをつける。


私このテレビ好きなんだ。可愛らしい笑みを見せる彼女。


そのテレビを見ながらする他愛もない話。


紡がれる言葉の中で、菜穂の情報が少しずつ積まれていって、大きくなっていく。


そして、大きくなればなるほど、少しずつ、確実に。綾音との思い出が、情報が消えていく。


「ハンバーグできたよ」


菜穂が作ってくれたハンバーグを食べる。


「うん、美味しいよ」


それはお世辞とかではなく、本心から出た言葉。


「よかった」


菜穂は安堵の笑みを浮かべる。


食べ終わって、食器を片づけて。


時刻は午後10時を回っていた。


「なにしよっか?」


「何って言われても・・・」


「じゃあさ・・・」


菜穂は悠太の手の上に自分の手を重ねた。


そして、じっと重ねられた手を見る。


ふぅ・・・と菜穂は一度息を吐いてゆっくり顔を上げた。


視線が合う。


じっと見つめる菜穂の目は少し潤んでいるように見えた。


「キス・・・したいな」




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こんなこと言われてみたいですww


言われたことねーw


最近の好きなタイプは明るい女の子ですw


では、また明後日!!