6話 マフラー | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

女子高。


響きはすごく良いものではあるが、実際に入ってみればそこがいかによくないかがわかる。


男子たちにとっては花園であっても、女子たちにとってはそこは汚い枯れた花の集まる場所。


真逆の意味合いを持った場所なんだ。


帰りのHRが終わり、いつも通り騒がしくなる。


耳障りなノイズ音。


一刻も早く、この場から逃げ出したくて、帰り支度を手早く済ませる。


「さようなら」


先生にそう声をかけて、教室を出る。


早く帰んなくちゃ。今日はお母さん帰るの遅くなるって言ってたし・・・家事やんないとな。


綾音が高校に入り、母親も仕事を始め、両親が共働きになった。


それが、自分のせいであると綾音は自覚している。


公立の受験に失敗して、滑り止めの私立への入学。


綾音にとって、もちろん想定外の事態ではあったが、両親にとってもそれは同じであった。


綾音の家は貧乏といわけではないが、裕福であるという訳でもない。


お金のかかる私立へ行くには、当然それなりの金額が必要になる。


さらに、綾音が大学に行ったとしたら、尚のことだ。


それを考え、母親は仕事を始めたのである。


自分のせいで無駄な苦労をかけてしまっている。


それに負い目を感じた綾音は家事を手伝うようになった。


そして、自分のあるバイト代から毎月一定の額を親に渡している。


ほんと・・・高校生、全然楽しくないよなぁ・・・。


行きたくもない学校行って、親に迷惑かけて。


彼氏とも別れて・・・。


なにやってんだろ。


ため息をつきながら、俯いていると、綾音、と後ろから声をかけられた。


「一緒に帰ろ!」


振り向くまでもなく、それが麻衣だと分かった。


高校に入ってからの最初の友達。駅が隣ということもあり、よく一緒に帰る相手だ。


「いいよ」


毎日麻衣と一緒に帰ってる気がするよ、冗談混じりにそう言うと、麻衣は、お互いに友達が少ないのかもね。苦笑しながら言った。


「まあ、狭く深くが私のもっとうなんで気にしてないけどね」


「麻衣は友達多そうに見えるんだけどね」


「なんで?」


不思議そうな顔で麻衣は問う。


「明るいから。それに社交的だからね」


それは社交辞令なんかではなく、率直な感想だった。


麻衣は、誰とでも仲良く話すことができるし、普段も明るい。


とても、友達が少ない人には見えない。


「それは作ってるだけだよ。皆に嫌われない程度に、作ってるだけ」


「じゃあ、もっと普段は暗いの?」


「いや・・・どうだろ?まあ、少なくともあんなキャラじゃないよ、私は」


あれ、疲れるんだけどね。そう言う麻衣に、だったらやめれば?そう返すと


「今から変えたらいじめの標的にされそうで怖いからやめとくよ。女子高って怖いから」


・・・ごもっとも。


「ところでさ、この後って暇?」


麻衣は階段を一段飛ばしで降りて、綾音より先に、踊り場に着く。


そして、まだ階段を下りている綾音の方を振り返り、笑顔で聞いた。


綾音はこの後の予定を思い返す。


家事がある・・・が。でも、別にお母さんが帰ってくるまでに終わらせればいい話だからな。


「遅くならなければ」


「やった。じゃあ、買い物付き合ってよ」


「いいけど、なんで急に?」


「寒いから、マフラー欲しいなぁって思ってさ」


綾音が踊り場に着くと、また一歩先に麻衣が階段を降り始める。


「確かに。2月だからね。一番寒い時期だ」


「でしょ?綾音はマフラーいらないの?」


「別に、いいかなって」


「前持ってたよね?」


「う・・・」


綾音は言葉に詰まる。


去年の今頃はマフラーを巻いていた。


それは、とても気に入っていて、大事にしていた・・・彼からの贈り物。


別れてしまった今、それを巻くことははばかられる。


「彼からのだっけ?」


悪びれる様子もなく麻衣は聞いた。


「そうだよ」


「まだ、引きずってるんだ?」


麻衣のため息交じりのその言葉が、棘のようにチクリと胸に刺さった。


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すいません、画面変えたんですが、めんどくさくてこうなりましたww


しかも、季節感のなさ・・・。


物語が今、冬なので許してください!!w


BGMも変えました~