夕暮れ。
街灯の明かりが付き始め、景色に変化をもたらす。
「やっぱ、冬は暗くなるのが早いね」
麻衣は空を仰ぎながら言った。
「そうだね。早く帰んなくちゃ」
綾音が冗談ぽく笑いながらそういうと、急かさないでよ。麻衣がそう返した。
街並みを歩きながら、2人は良さそうな店を探す。
「どこがいいと思う?」
「・・・私に聞かれても」
原宿はよくわかんない、綾音はそう続ける。
「じゃあ、どこで買い物してるの?」
「ん~・・・適当に」
思案した結果、出たのがその言葉だった。
別に、服とかそういうものに興味がないわけではない。
もちろん、高校生だしオシャレをしたいとは思う。ただ、他の人との価値観の相違。
綾音にはブランドなどというものにはこだわりがなかった。と同時に、『場所』に興味がなかった。
大都会でなければ自分に似合うであろう、可愛いと思うであろう洋服があるという訳ではない。
家の近くの洋服屋だってそれなりに、自分に合うと思う服はある。
わざわざ都会に進出してくる必要はない。
服はデザインと色と形。ここで買ったとかこのブランドだからとか、そんなものはどうでもいい。
「適当なんだ?」
「うん」
綾音は頷く。
「ふ~ん・・・あ、てか喉渇いた」
自販機あるから、ちょっと買ってくる。麻衣が言った。わかった、綾音が言うと、綾音は何か飲む?麻衣がそう返す。
「じゃあ、ココア・・・じゃなくて紅茶かな」
「あれ?お気に入りのココアはやめたの?最近飲んでないけど」
首を傾げながら麻衣は不思議そうに問う。
「なんでもいいじゃん。じゃあ、お願いします」
「りょーかい」
麻衣が買ってきてくれた紅茶を飲みながら歩いていると、後ろから、すいません。声をかけられた。
「はい?」
振り向くとそこには2人の男性。1人は茶髪で短めの髪。ピアスを開けていて少しチャラそうなイメージがある。もう1人は長髪でこちらもピアス。
2人とも、清純そうな見た目とは程遠かった。
少し嫌な予感がする。
「今時間ありますか?」
長髪の方が笑顔を浮かべて聞いてきた。
「ないです」
綾音は即答する。
「少しでいいんで」
「すいません、急いでるんで」
綾音は麻衣の手を引いて、その場から離れた。
「ナンパだね」
初めてされたかも、麻衣はあははと笑いながら言った。
「私ああいうの嫌い」
ムスッとした表情で綾音は言った。
「綾音は清純な人が好きなんだっけ?」
それに対して、麻衣はいたって平然だった。
「うん。麻衣はああいうのでも大丈夫?」
「まあ、いけなくはない。私の彼氏茶髪だし」
ピアスは開けてないけどね、麻衣がそう続けると高校生が茶髪って大丈夫なの?綾音が怪訝な表情で返した。
「公立だから大丈夫なんじゃない?よくわかんないけど」
「茶髪の人が好きなの?」
「いやいや。私は単純にその人が黒髪でも茶髪でも気にならないよ。それが似合ってればね。私は誰かさんと違って外見だけで判断してないんで」
「私だって・・・!」
反論しようとして口ごもる。確かに、自分は内面を重視している。顔なんてものよりもよっぽど。
優しさ、寛容さ、包み込む温かさ。
それらが第一優先ではあるが、茶髪は嫌悪していた。
その理由はきっと、内面もよくないという先入観があるから。
茶髪にしている。ただそれだけで、決めつけていたんだ。
「茶髪の男性と付き合ってみたら?」
麻衣が言った。
「その人に悠太君以上の優しさがあったらね」
何となく麻衣に負けた気がして、綾音は強気にそう返した。
その言葉には、悠太以上に優しい人はいない。そう決めつけるものでもあった。
悠太は綾音にとって、今も一番で忘れることができない大切な人・・・。
消せない・・・記憶の中の人。
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伏線は一応・・・ありますww
別れた理由、想像してみてください。
多分、みなさん、そんなことで?とかいう疑問を抱くと思いますww
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