5話 辛い過去 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side綾音~


指で器用にペンを回しながら、綾音は時計を見た。


もうすぐ鐘・・・鳴るかな。


そう思った直後、聞きなれたチャイムが鳴り響き、授業の終わりを知らせる。


同時に、クラスの生徒達は会話を始めて、さっきまでとは全く違った雰囲気が教室を包み込む。


喧騒の中、綾音はただただペンを回し続け、それを目で追う。


ずいぶん、上達したもんだ。自分でもそう思う。


と、同時に苦笑してしまう。


昔は、一切できなかったのだが、彼に教えてもらって、ここまでできるようになった。


綾音のテストが近いということもあり、二人ファミレスで勉強をしていた時のこと。


悠太のペン回しが、常人のそれとは違うようなスピードで、回転数で回っていたので綾音は驚いた。


「ねぇ、それどうやってるの?」


「どうって言っても・・・」


こうやってるだけだよ。言葉を紡ぎながら当たり前のようにペンを一回転させる。


「ん~・・・」


綾音もまねをして、同じように回そうとするがうまくいかない。


カラン。


床にペンが落ちて、小さな音が喧騒の中で微かに響く。


「会得してもいいことはないと思うよ。勉強に集中できなくなるから」


「回せない方がイライラする」


「今回のテストに響いたらどうするんだよ」


「そこまで疎かにするつもりはないから」


だから教えてよ、お願いだからと綾音は両手を合わせて小首を傾げ、悠太を見る。


「わかったよ」


悠太はため息をつきながら頷いた。


「ありがと」


悠太は優しい。基本的に綾音のことを優先してくれて、いつも気配りをしてくれる。


完璧な彼氏。


嫌いになる理由は見当たらなかった。


「難しいなぁ・・・」


ぶつぶつ、呟きながら練習をしていると


「持ち方違うから・・・。手さ・・・」


ごく自然に、当たり前のように、悠太は綾音の手に触れた。


冷たい彼の手。だからこそ、触れてるって感じやすい。


ドクン。心臓が鼓動を上げた。


デートの最中。分かりきっていて尚。


「私、悠太君のこと好きだよ」


恥ずかしいセリフを言ったと思い、顔が熱くなる。


けど、悠太はごく自然に笑みを浮かべて


「俺も好きだよ」


その悠太の言葉は嬉しかった。


すごく、幸せに思えた。・・・はずなのに。




カラン・・・。




不覚にも、ペンが手からすり抜け、机の上に落ちた。


「辛いなぁ・・・」


誰にも聞こえない大きさでそう呟いて、机に顔をうずめた。


失った恋は苦い。苦いのに、どこか甘い。


その甘さは妄想の中にいるときだけ。


現実に戻れば・・・どんな悲しみよりも深く、苦く、嫌なものでしかない。


ひどく後悔する。


なんで、あの笑顔を手放してしまったのだろう。


あの優しさを手放してしまったのだろう。


最大の過ちを犯したと気づいた後から、自己嫌悪が降りかかる。


痛み、悲しみ、寂しさ。


そして・・・愛しさ。


それらが、浮かびあがってはまた沈み。


繰り返すごとに、自分の心を締めつけていく。


いつか壊れてしまうのではないだろうか。


それほどに・・・強く。




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自分の文章を読み返していて思うんですが、暗い!!ww


すごくず~んとなる話ですよねww


テンション下がるわ~w


とは言っても、明るい話を自分は書けないので・・・


いたしかたない・・・。。


自分から切り出した別れ。


なのに、後悔してしまう。


みなさんはそんな経験ありますか?


次回は30日の午前7時です。


タイトルは「マフラー」


おたのしみに★


あ、次回までにはbgmとタイトル画面変えます!