3話 決めてないまま | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

場所変えよう。


菜穂の言葉で、2人は店から出た。


店とは違う光が2人の体に降り注ぐ。


会話はなかった。少し重苦しい空気の中で歩く2人は、喧嘩をして今にも別れそうな・・・。


そんなカップルのようだ。


前を歩く彼女は終始下を向いていた。


勇気を振り絞り、言葉を紡ごうとしている彼女。


そんな彼女に、欠ける言葉は見当たらない。


悠太はただただ、前を歩く菜穂を見るだけ。


ふいに、菜穂が立ち止まり、悠太の方を振り返った。


「言うね?」


菜穂は、悠太の目を見て、地面を見て。


そして一拍置いた後に、もう一度悠太を見た。


「私と付き合ってほしい」


意を決して言ったその言葉は震えていた。


「えと・・・」


予想していた言葉。


なのに言葉に詰まる。もちろん、彼女の言葉が嫌いなわけじゃない。


好きか嫌いかで言えば、好きだ。しかし、だから付き合っていい訳じゃない。


きっと、今日の約束を了承する時の自分は間違いなく、彼女と付き合う気でいたのだろう。


傷を癒すために。忘れるために。


けれど、それは間違いなんだ。


失ったピースの形は今手に入れようとしているピースと形が違う。その場所には当てはまらないものなんだ。


それを自覚した今、出す結論は決まっている。


自分の想いを、気持ちを。再確認した後で、紡ぐ言葉を決めた。


「俺・・・好きな人がいるんだ。もう、会えないのは分かってるんだけど」


前に振られたからさ。苦笑しながら悠太は言った。


「そっか」


じゃあ、何で今日会ってくれたの?菜穂はそう続ける。


「それは・・・」


「私・・・別にその人の代わりでもいいんだよ?」


口ごもる悠太に、すべてを見抜いているかのように菜穂は言った。


「何言ってんだよ・・・」


到底理解できるはずのない言葉だった。


相手が勝手にそう思っているカップルはいるかもしれない。


けど、菜穂はそれを受け入れて尚、それでもいいといってきているのだ。


「私、佐野君のこと好きだからさ」


菜穂の笑顔は大人しい。


大人のような寛容のある笑顔で、さっきまでの無邪気さはなかった。


「ただ、私のことをその子の名前で呼ぶのだけはやめてほしいけどね」


そうじゃなかったら・・・・全然大丈夫だから。


「でも・・・」


「私のこと、嫌い?」


「そんなことない・・・けど」


ここで嫌いと嘘をつけたら、どれほどいいだろう。


半端な優しさは、どれほど残酷で、虚しいものなのか。


自分は知っているはずなのに。


「なら、いいじゃん。ね?」


菜穂は小首をかしげながら、悠太の手を握った。


初めて触れた彼女の手は温かかった。


そして、嫌な気持ちには一切ならない。


「うん」


だから頷いてしまった。


作り上げてきたパズル。


そのうちの一つのピースが欠けてしまった今、全く形の違うピースを手に入れた。


そのピースを強引にそのパズルにはめ込むのか、それとも・・・。


また新しいパズルを作り上げていくのか。


どうするのかまだ決めてないうちから、彼女と付き合うことを決めてしまったんだ。




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タイトル画面の変え方がわからなくなった!!


・・・早めに直します。


「記憶の中に」


まだ第三話ですが、これからも読んでいただけると有難いです!