家の中は相変わらず閑散としていた。
こんな家に早く帰りたかった僕は、少し病んでいる。
1人の空間。
誰もいない孤独。
それが・・・好き?
「そんなはず・・・ないだろ」
僕は自分に問いかけて、答える。
1人暮らしはいいものだった。
好きな人を好きな時に呼べて。
もちろん、相手の都合というものもあった。
けれど、それがない日。
2人とも、バイトも課題もない日。
僕は君を家に呼んだ。
それはまるで恋人。
他人から見たら、間違いなくそう呼べるもの。
でも、僕達にはそんな関係にはお互い見えてなかった。
というより・・・見なかった。
少なくとも僕は。
君が、それを望むと口に出すことがなかったから。
僕は臆病者だ。
相手が口に出さなければ、自分からは動かない。
思ってても行動しない。
それはなんでか。
相手の気持ちを完全に知ることはできないから。
ある程度は分かっていたつもりだ。
君のことを・・・。
「でも・・・」
僕は、ソファに寝転がり、目を閉じた。
そして、腕で目を覆う。
まただ。
空白の時間。
何もしない時間のすべてが・・・君で埋まる・・・。
キィィィ!!
大きな音が聞こえた。
急ブレーキの音。
タイヤが地面にこすれる音。
女の子の悲鳴。
それが不協和音となって僕の耳に入る。
そして、見てもないはずなのに、僕の脳裏にその映像が映し出される。
ブレーキを必死に踏む、どっかのおっさんの焦る顔。
周りの人たちの青ざめる顔。
そして、今にも轢かれそうな・・・
「え・・・?」
君の顔・・・。
・・・。
暑い。
僕は、腕をどけて目を開けた。
「夢・・・か」
時計を見ると、帰って来てから20分経過していた。
「・・・はぁ」
僕はブレザーを脱いで、ネクタイを緩めた。
それにしても・・・なんて嫌な夢だ。
帰ってきて早々に寝て見る夢じゃないだろ・・・。
そういえば、夢って寝る前に考えてたこととかが出てくるんだっけな・・・。
それなら合点がいく。
「じゃあ、考えなければいいってか?無理そうだな」
僕は自嘲しながら立ち上がって、ブレザーを干す。
「意外に几帳面なんだね」
その時、後ろから声が聞こえた。
「は・・・?」
僕は反射的にその声のする方へ振り向いた。
この家にいるのは僕一人。
他に誰かが入る方法なんて・・・。
それに・・・この声・・・。
「よっ。久しぶり」
そこには、手を上げて、苦笑している君がいた。
「なんで・・・いるんだよ・・・」
「私に聞かれても・・・」
君は、表情を変えず、苦笑したまま僕にそう言った。
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