「また・・・この夢か」
小鳥のさえずり、子供たちのはしゃぐ声で僕は夢の世界から現実の世界へと戻る。
・・・何度目だろうか。
愛理の夢を見るのは。
もう彼女はこの世にはいない。
・・・なのに。
僕はいまだに彼女を想い続けている。
しつこく・・・女々しい。
そして、とても無意味で、馬鹿げている。
死んでいる人を。
もう会えない人を、思い続けているなんて。
君がこの世からいなくなってもう半年だ。
最近、やっと君がいない世界に慣れてきた。
いや・・・慣れてきたというより、やっと現実を受け止めることができてきたというだけ。
「半年・・・か」
僕は制服に着替えながら、昔のことを思い返す。
君との過去の思い出を。
僕らの関係はとても微妙なものだった。
手を繋いで帰ることもあった。
ふたりでどこかへ遊びに行くこともあった。
まるでデートみたいに。
それが僕にはすごく幸せだった。
その時は、それ以上のものを望んでいなかった。
キスやら・・・セックスやら。
ただ、一緒にいることが幸せだった。
だからなのかもしれない。
僕が君に想いを伝えなかったのは。
彼女が僕のことを好きでいてくれているのは分かった。
それは自惚れとかじゃなくて。
君の言動を見ていれば、察しはつく。
でも・・・。
言ってしまえば、関係が崩れる。
付き合うことになったとして、僕らは関係を進めるだろう。
キスをしたり。
けど、そうやって一線を越えることによって、いつか。
そう、いつか。
恋人というもの特有の『別れ』というものが訪れる。
それが、僕には嫌だった。
深く、重く。
相手を愛してしまったら、それがなくなった時のショックは計り知れない。
そうやって、先のことだけを考えていたから、こうやって後悔ばかりしたのだけれど。
だって、結局、君は僕の前から消えてしまった。
伝えなくても伝えても。
所詮は結果論ではあるが、変わらなかったんだ。
僕は、キッチンに向かい、冷蔵庫から卵とベーコンを取り出す。
1人暮らしの朝は辛い。
朝食ももちろん自分で作るわけだし、洗濯とかも自分。
親が二人とも海外で仕事をするとか言ってたから喜んだけど・・・。
華やかなもんじゃないな、1人暮らしは・・・。
フライパンによって焼かれる、ベーコンの音。
今はそれだけが僕の耳に入る。
そして、何も考えなくなった僕の頭の中に浮かぶのは・・・。
やっぱり愛理だ。
後悔は日に日に募って行く。
愛し合っていたのに・・・。
想いを伝えれなかった・・・。
「チキン・・・め」
自分に僕は罵倒を浴びせる。
失ったものは戻ってこない。
時は進むだけで戻らない。
そして・・・いなくなってしまった人は。
もう会えることはない。
それがこの世の原理。
僕は、それを信じて疑わなかった。
けど・・・。
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あ・・・朝7時ってのを忘れていました。
明後日は7時にします><