22話 転校生 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

次の日。


雲たちは僕達のもとを去っていって、太陽が僕らを照らした。


五月とは思えないぐらいの暑さ。


学ランなんてきていられないほどだ。


だからといって、脱ぐわけにもいかないのだが。


「なんなんだろうな、この気温は・・・」


手で顔を扇ぐ良一はだるそうな表情を浮かべる。


「だなぁ・・・」


「これは異常だな」


「近年は毎年、夏も冬も異常だけどな」


僕は上から二つぐらいボタンを開けて、かすかに風が通る隙間を作る。


が・・・。


風すらほとんど吹いていない今には到底意味がない。


「あーつーいー」


「五月蠅い良一。よりいっそう暑く感じるわ」


「じゃあ、寒いとか言ってみるか?」


「子供か」


「じゃあ、なんならいいんだよ。あーもう。暑すぎ!」


良一は恨めしそうに太陽を睨んだ。


「とりあえず・・・・明日からはうちわが必須かもしれないな」


僕がそう言うと「同感だな」


良一は頷いた。


今日の学校までの道のりは地獄だった。


猛暑との闘い。


それを乗り切って、学校について。


教室に入ると、みんながざわついていた。


おかしい。


普段はもう少し静かなのに。


「なんだ?みんな暑さでやられたか?」


「良一。それはなかなか笑えないぞ?」


「あ、ごめん」


僕らは席に座り、荷物を机の中に移す。


それが終わり、僕は気になったことを、となりの席の関口理沙に聞いた。


「今日何かあんの?」


「え、急に何?」


「いや・・・みんなざわついてるから」


「ああ。今日は転校生がうちのクラスに入ってくるんだって」


さらっとした長い黒髪を束ねながら理沙は言った。


「転校生かぁ。男?女?」


「女の子だよ」


「そうなんだ」


「なに?ナンパでもする気?」


「何言ってんだよ」


「私の雨宮君に対するイメージなもんで」


笑いながら彼女は言った。


「なんでそんなイメージがあるんだよ」


「だって・・・あ、なんでもないや」


「そんな途中で止められると一番困るんだけど?」


「気にしない気にしない」


彼女は鏡を取り出して、髪の毛がちゃんと束ねられたかチェックする。


「なんか嫌だなぁ。あ、そうそう。関口は髪束ねるよりそのままの方が似合ってると思うよ?」


「ふぇ!?」


彼女は顔を赤くして、手に持っていた小さな鏡を落とす。


ガシャン。


小さな音がざわついたクラスの音に少しだけ抵抗するように、甲高い音を上げた。


「どうした?」


僕はそれを拾って彼女に手渡す。


「別に・・・。ありがと」


彼女はそれを受け取ってため息をひとつついた。


「よくわからん」


「こっちのセリフだよ」


そんな会話をしていて、転校生のことなんて気にも止めなかった僕。


けど・・・。


みんなのざわついた音をかき消すように、教室のドアが開いて。


先生が入ってくる。


そして、その後ろに転校生がいた。


「あ・・・」


そこにいたのは、一華だった。


彼女の顔を見た瞬間、僕の頭の中から理沙との会話は一瞬で飛んで行った。




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