一華の転校。
「ホントに来たんだ・・・」
ポツリとつぶやいたその言葉に理沙が反応する。
「知り合いなの?」
「ああ・・・まあね」
一つ。
問題があった。
一華が僕と奈々の関係をしゃべらないかどうか。
一華は基本的に口が堅いとは言えない女の子だ。
だからそれがすごく不安で・・・。
まぁ、その不安は一瞬で。
すぐに的中することになる。
「久しぶりだな。奈々。それと、玲・・・はそうでもないか」
その言葉を聞いた途端。
みんながさらにざわつき始める。
「え、雨宮君と千草さんの知り合いなんですか!?」
誰かが質問した。
「あ、うん。幼馴染」
・・・・ばか。
僕と奈々の一ヶ月の苦労は一瞬にして消え去った。
僕は、後ろの方に座っている奈々の顔を見る。
すると奈々もこっちを見て。
目があった僕達はお互いに苦笑した。
「みんな、静かにしなさい」
先生がうるさくなった教室を静かにさせる。
そして、静かになった後、
「自己紹介をお願いします」
「はい。花崎一華です。最近までアメリカに住んでいました。日本に来るのは久しぶりなので、みんな、色々教えてください。よろしく」
「ありがとうございます。じゃあ、みんなから何か質問は?」
先生の問いに、みんなが一斉に手を上げる。
「え・・・」
先生は戸惑いながら、
「じゃあ・・・関口さん」
「んと、一華さんは千草さん、雨宮君と仲がいいんですか?」
「ん・・・まあ幼馴染だから」
「じゃあ、そうなると当然・・・いや、すいません。これから一華さんのことなんと呼べばいいですか?」
少し険しかった表情を一変させて、笑顔で聞く。
「ん~・・・そうだなぁ。一華でいいよ」
そして朝のホームルームが終わる。
それと同時に、一華の元に人が集まる。
そこには一華本人に興味がある人、そして・・・。
僕らの関係に興味がある人。
その二種類の人がそこに集まっていた。
まあ、僕らというより奈々だけど。
そして、意外にも僕と奈々の関係に違和感を持った人は数少なかった。
ありがたいことに。
一華という転校生そのもの、奈々と一華の関係。
奈々の小さい頃のこと。
みんなの興味の対象はそこだった。
僕なんて人のことには一切触れず・・・。
でもそれは『大抵の人』
・・・1人を除いて・・・だ。
「雨宮君」
「なに?」
「なんで隠してたの?」
「理沙が僕の顔を見ずに聞いてきた」
「なにを?」
「千草さんとの関係」
「隠してたわけじゃ・・・」
「2人が幼馴染って知って、合点がいったよ」
「え?」
「君が二人きりの時、『奈々』って彼女のことを呼ぶ理由・・・」
理沙から口に出たのは、誰も知らないはずだった・・・。
隠し切れているはずだったこと・・・。
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