信号は赤で裕哉さんがいる方へは渡ることができない。
私は彼を見失わないように、彼を目で追い続ける。
そして、交互に信号を見ながら『早く変われ・・・』
そう祈り続ける。
しかし、なかなか信号は変わらない。
一秒一秒。
普通に時は刻まれているはずなのに、すごく長く感じる。
一秒が幾百の時に感じるほどに。
早く・・・早く・・・。
そう思っていた時、一台のトラックが横切る。
その瞬間、私の視界は少しの間だけ奪われる。
それがどういうことか・・・。
そう。彼を一瞬の間見失うってことだ。
それは今の私たちの距離感の中では致命的なこと。
案の定、トラックが通り過ぎた後、彼の姿はもうそこにはなく・・・。
焦りながら、彼がいた近辺を見渡すが遠い場所。
見つけることはできない。
私は完全に彼を見失ってしまったんだ。
信号はここで青に変わる。
神がいるのなら・・・ほんとうに意地悪だ。
残酷で冷酷なほどに。
そして、運命というものがあるのなら・・・。
きっと私と裕哉さんは引き裂かれる運命なのだろう。
私は走って、さっきまで裕哉さんがいたところの向かう。
立ち止まり、辺りを見る。
しかし裕哉さんの姿は見つからない。
「はぁ・・・はぁ・・・」
体力はもうほとんど残っていない。
そして・・・気力も。
もうすでに裕哉さんは駅構内に入ったのだろうか。
その疑問が頭に浮かんだときには、もう私は階段を駆け上がり駅の内部にいた。
たくさんの人の横を通りながら彼の姿を探す。
そして・・・やっと私は彼の姿を見つけた。
彼は改札を通る瞬間。
「待って!!」
私が言ったその大きな声に誰もが私の方を注目する。
それは、裕哉さんを例外ではない。
彼の手はパスモを持っていて、それを改札の磁場に当てる寸前のところだった。
私は走って彼のところまでいく。
「理菜さん・・・どうしたの・・・?」
彼は驚きの顔で私を見る。
「急に・・・帰っちゃうから・・・」
立ち止まった途端。
突如に疲れが私の体を襲った。
息切れをしながら思わず肘に手をつく。
「そりゃあ、帰りたくもなるよ。あんなの見せつけられたら」
見上げた彼の顔は苦笑。
私に対する不快感を表したような表情だった。
でも怒っているわけではない。
それはきっと彼が優しい人だから。
誰よりも・・・。
「あれは・・・私の意思じゃない・・・」
少しだけ嘘。
本当のことを言っているけど、キスの甘さに蕩けそうになったのも事実。
だからこれは真実であって間接的な嘘なんだ。
「隆弘君が強引にしたってこと?」
「うん」
「そっか。で・・・理菜さんはここまで来てどうしたかったの?」
「え・・・?」
「わざわざ、走ってまで来た理由だよ。あのキスは自分の意思じゃないってのを言いに来ただけ?」
「違う・・・。私は・・・」
私は、肘から手を離してまっすぐに彼を見た。
「裕哉さんの顔が見たかったんだよ・・・」
「僕の・・・?」
「あのまま終わりだなんて嫌だった。もう一度会いたかった」
「ありがと。でもルール違反だよね」
「なにが?」
「選ぶまで僕とは会わない約束」
少し驚いた。
そんな馬鹿みたいな言葉に。
「裕哉君・・・私はもう・・・選んでるよ・・・?」
「え・・・?」
私のその言葉に戸惑う彼。
この状況で分からないんだ・・・。
私は内心肩をすくめて苦笑する。
まぁ・・・でも彼らしいかもしれない。
そう思った私は言葉でそれをきちんと表す。
「私は・・・裕哉さんが好きだ・・・」
彼に伝わるように・・・。
想いは態度だけじゃ伝わらない。
逆に言葉だけでも伝わらない。
両方を相手に示した時、初めて思いは伝わるんだ。
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これ書いているのは朝の四時です。
眠いですww
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