90話 深く重みのある言葉 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「理菜さん」


「はい?」


相変わらずのドア越しの会話。


声だけが聞こえる。


これだけ近くにいても、顔を見ることは・・・ない。


「隆弘君・・・って知ってますか?」


「え・・・」


「どういう関係ですか?」


もう分かっている。


目の前にいる隆弘君とドアの向こうにいる理菜さんの関係は。


でも、直接聴かなくちゃいけない。


想像だけで、決めつけてはいけない。


「急になんですか?」


なるべく平常心を保とうとしている彼女。


でもわかる。


内心すごく焦っていることは。


「いいから。答えて」


「・・・まさか、隆弘がそこにいるんですか?」


僕は彼を見て、小声で聞く。


「言っていい?」


すると彼は黙ってうなずいた。


「いるよ。僕の目の前に」


「だから・・・ですか」


すべてを悟ったようなそんな返事。


それは虚しさと悲しさを両方混ぜたような・・・そんな切ないものだった。


「その通りです。理解できた?」


「はい。全部」


「鈍い理菜さんには珍しいことだね」


「褒め言葉ですか?」


「もちろん」


「ありがとうございます」


彼女のその言葉は苦笑気味の声のトーンだった。


「で・・・教えてもらっていいですか?」


「鋭い裕哉さんならもう分かってますよね?」


「もちろん」


「なら、何で聞くんですか?」


「確認のために」


「そうですか。じゃあ、言います。隆弘は、私の彼氏です」


ズキン・・・。


胸が痛むのは分かっていた。


嫌な気持ちになるのも分かっていた。


それでも驚いたんだ。


こんなにも感情が強く表れることに。


「そっか」


「はい」


「ねぇ。理菜」


重ねて、今度は隆弘が理奈を呼ぶ。


「な・・・に?」


すでに理菜さんの心はボロボロだった。


それはきっと隆弘君にも分かっていただろう。


それでも、彼には聞かなくちゃいけないことがあった。


逆の立場だったら間違いなく聞くであろうその質問。


「理菜とここにいる裕哉さんの関係って何・・・?ここの学校の生徒とかじゃないよね?」


「ん・・・と・・・」


理菜さんは言葉に詰まる。


きっと言いづらいのだろう。


今の僕らの関係は。


この複雑で絡み合った赤に近く遠い糸の正体は・・・。


「隆弘君は何だと思うの?」


僕は理菜さんにも聞こえるような声で聞いた。


「どう考えても、恋人にしか見えない」


「なんで?」


「名前で呼び合ってるし」


「でも、『さん』付けですよ?」


「それでもなんかおかしい・・・」


「じゃあ、恋人だったら?」


その言葉に彼の体がびくっと反応して、僕の方を睨みつけた。


「理菜に決めてもらう。俺を取るか、裕哉さんを取るか」


それは奇をてらった言葉だった。


「二股は咎めないの?」


「咎めますよ。でも、それで別れようなんて言わない」


「なんで?」


「俺は、昔からずっと理菜しか見てなかったから」


その言葉は深く重みのある言葉・・・。




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このシーン・・・。


意外に長く続きます。


いや~!!


隆弘君カッコいい!!


裕哉とは大違いだ!ww