「他の学校の生徒の者です」
僕はそう答えた。
しかし当然ながら彼の不審者を見るような眼は変わらない。
「・・・どこの学校ですか?」
「それは秘密ってことで」
ただ、分かんなかっただけ。
ここら辺にある学校のことなんて知らない。
「じゃあ、質問を変えます。ここで何をしているんですか?」
「屋上の景色を見て、その帰りです」
「ドアに寄り掛かって座っている意味は?」
「足元がふらついて、その場に倒れ込んだ・・・ってとこですかね」
僕は苦笑しながら彼を見上げる。
見降ろす彼に見上げる僕。
歳はきっと僕の方が上なのだろうけど、今の関係図だとこれは適当なものなのかもしれない。
「よくわかんないですね」
「何がですか?」
「あなたが何でここにいるかですよ」
彼のその言葉で、僕は必死に思考を巡らせる。
何かいい手はないか・・・。
ベストなのは彼をここからいなくならせること。
不信感を取り除いて・・・だ。
でも、そんなことできるだろうか?
いくつかのパターンを瞬時に組み立てるが、どれも失敗しそうなものばかり。
焦るな・・・落ちつけ・・・。
悩めば悩むほど。
時間が経てば経つほど。
彼の不信感は募っていく。
その時だった。
僕らの無言が打ち消される。
しかし打ち消したのは僕でも、彼でもなく。
・・・理菜さんだったんだ。
「裕哉・・・さん?」
会話が途絶えたのを不思議に思ったのか、それとも今の僕らの会話が聞こえてたのか。
そんなことはわからないけど。
そんな理菜さんの言葉に彼が反応する。
「・・・裕哉さん?」
「そう、裕哉って言います」
「そうですか。それより少し気になることがあります」
僕の名前のことを触れることなく、少しだけ話を逸らす。
「何ですか?」
「ドアの向こうにいる女の子は誰ですか?すごく聞き覚えのある声が聞こえたんですが」
この時に分かる。
裕哉さんというワードに反応した意味が。
「それはあるでしょうよ。同じ学校の生徒なんだし・・・」
なんとなく、彼の気持ちは分かっていたのだが、確実性をも他焦るために分からないふりをしておく。
「それだけじゃない。もっと深い関係の女の子の声に似ていたんです」
「深い関係?もしかして彼女ってことですか?」
「・・・そこは言いませんよ」
彼は明言を避けたがなんとなくわかる。
僕の予想は当たっているのだと。
「とりあえず、その子の名前を言ってみてください」
「理菜って言います。その子ですか?」
今さらになって気付く。
この嫌な雰囲気に。
瞬間的に嫌な空気が僕の周りを包みこんだように感じた。
「その子ですよ」
「どういう関係で?」
少しだけ、彼の言葉のトーンが荒くなった気がした。
冷静さが少しだけ。
ほんの少しだけ薄れた気がしたんだ。
「プライバシーですよ」
そんな彼に僕は冷静に返答した。
「教えてください」
「じゃあ、先にそっちから。そこまで聞くってことは何かしらの関係があるんですよね?」
「そこは本人に聞いてください」
「なんで・・・」
「なんでもです。きっと理菜は俺がここにいることを知らない。小さい声で話しているから聞こえていないはずです」
「わかりました。名前は?」
「隆弘です」
初めて聞く名前。
この名前は僕にとって嫌な名前になったんだ。
理菜さんが出す返答によって・・・。
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この話の目標は100話です。
ちょうど100話で終わったらカッコいいなぁなんて考えつつ。
ただ、まだ何とも言えないところですww
ではでは!!