~side裕哉~
最悪なことをしてるって分かっている。
彼女はまだ少なからず僕のことを好きでいてくれているっていうのは分かっていた。
そして、彼氏の方が僕より大きな存在であるということも。
だからこんなことをした。
彼女という存在を自分に向かせるために。
正直少し驚いているんだ。
自分はここまでしてでも。
ずるいやり方をしてでも、理菜さんを手に入れたいんだなって。
今までは誰でもいいなんて考えていた。
無駄でつまらない時間を埋めるためのただの暇つぶし。
その程度。
好きという感情は微々たるもの。
冷めているなとか思いつつ、もし初恋の人という存在がいなければ好きになっていたのかも。
なんて思ったりもしていた。
あり得ない淡白な感情。
でも今はもう違った。
どんな手を使ってでも・・・そんな思いがある。
貪欲に、欲しがっていたんだ。
彼女を・・・。
「私は・・・」
彼女は口を開くが、まだ決めかねているような声のトーンだった。
「決められない?」
「私は、どっちも好きですから」
「どっちも・・・ねぇ」
好きと言われれば嬉しい。
だけど、もう1人好きな人がいるといわれたら当然その喜びは半減する。
それは当たり前の感情だ。
誰にも持ち合わせているもの。
独占したいという思いは・・・。
「理菜さん、どっちもはだめだよ」
「そんなこと分かってます・・・でも」
「でも?」
「決まんないんです・・・」
絞り出すような声。
その声に僕は罪悪感を覚える。
それでも、自分のため。
そんな自己中な想いが、折れそうになった心を必死に支える。
つくづく思う。
自分の最低で傲慢で・・・。
きりがないほど出てくる自分への誹謗中傷。
それを心の中で言い続ける。
意味のない戒めのために。
そして最後に出てきた言葉は
「ごめんね・・・」
彼女への謝罪の言葉。
「何で謝るんですか・・・?」
「わかるだろ?」
「なんとなく。でも悪いのは私ですよ」
「そんなことないよ」
ドア越しに続く彼女との二人きりの会話。
それは特別な空間。
けれど、特別だからといって幸せなわけじゃない。
今の僕らの複雑な関係が、何とも言えない空気を作り出している。
その時だった。
カツンカツン・・・。
独特な甲高い音。
上履きが階段を踏みつける音。
その音が徐々にこっちへ近づいてくる。
やばい・・・生徒だろうか?
屋上の方にはこないでくれ・・・。
そんなことを心の中で願うが、叶うことはなく、1人の男の子が目の前に現れた。
その男の子は一瞬目を見開いて「・・・誰ですか?」
僕にそう尋ねてきた。
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こんにちわ。
最後の文、さぁ誰でしょうか!?
もう二択ですよね。
名古屋で出てくる登場人物はさんにんなのでw
ではまた明日!!