79話 持続力 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side裕哉~


麻奈との恋愛もまた長くは続かなかった。


理由は何となくわかっている。


相手を本気で思っていないから。


「なんか・・・違う」


キスをした後に彼女が口にしたその言葉。


「なんか・・・?」


僕にはそれが全く分からなかった。


何が違うのか。


「最初にしてくれたのと違うんだよ」


麻衣は寂しそうな表情を浮かべた。


「なんだよそれ・・・」


僕達の間を一条の風が通り過ぎていく。


彼女の髪がなびいた。


好きだったその姿も今ではドキッとはこない。


それはきっと手に入れてしまったから。


遠くからじゃなくて、特等席でそれを見れるようになってしまったから。


「愛って・・・恋って何なんだろうね」


「え?」


外の明かりが次第に灯り始める。


暗くなっていく空は光をなくしていく。


それを補うように。


でも、補う力は微々たるもの。


大自然が織りなす明るさには到底及ばないもの。


それでも。


そんな光でも麻奈の顔はしっかりと見える。


僕を見る麻奈の目には心なしか不満そうで悲しそうな・・・。


そんなような目をしていた。


「裕哉君から、愛が感じられないんだ」


「僕は麻奈のこと好きだよ?」


恥ずかしいはずその言葉。


いつからだろう?


こんなにも簡単に言えるようになったのは。


キスもそうだ。


簡単にできてしまうもの。


僕は俳優でも何でもない。


どこにでもいるような平凡な人。


そんな人は、キスというものは大切にする。


好きだと思う相手にしかしない。


でも、僕は・・・。


「嘘だよね?嫌いじゃないってだけだ・・・」


「なんでそんなこと・・・」


「遊びだったんだよね?最初は離さないように愛情をこめて・・・。今は・・・もう飽きたのかな?」


麻奈の決めつけは正しいもの。


何の否定もできないようなそんな言葉。


僕はやっぱり・・・過去を忘れられない。


本気で好きだって思うことができない。


初恋と言う名の鎖が僕を締め付けている。


無意味な鎖が・・・。


もしも。


もし本気で好きな人が現れたら、僕は『好き』なんて言葉は言えないだろう。


ましてやキスなんて絶対にできない。


そんな弱い男なんだ。


僕は・・・。


彼女の問いに答えを出さない僕。


すると彼女は


「別れよっか・・・」


当たり前。


でも一番嫌いな言葉。


それが彼女の口から音として出てくる。


その言葉を耳に入れた僕は


「そうだね」


そう言った。


恋愛には結婚か別れしかない。


結婚をする気がないまま付き合っているのなら間違いなく別れが来る。


そんな普通で当たり前のこと。


分かっているけど・・・。


「嫌だなぁ・・・」


彼女の背中を見送りながら、誰にも聞こえない声でそう呟いた。


別れが来ない恋愛。


それが理想。


でも、結婚する気がないなら?


その場合はどうすればいいんだろう?


友達と恋人の間にいればいい?


それも難しい。


微妙な関係を維持するのは。


そんなときに1人の女の子の顔が浮かんだ。


今一番微妙で分からない距離にいる女の子の顔が・・・。




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すごい男の子ですww


流石は主人公!


明日はついに80話!!


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ではまた明日!!