76話 心の距離 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

初回のデートはとてもありふれたものだった。


映画を観て、ゲームセンターに行って。


そして、最後。


時刻は午後6時。


私たちは、公園のベンチに座って話をする。


座った私たちの距離は今までより近くなっていた。


とはいっても少しだけ。


そんな目に見えてってわけじゃない。


きっとこれは、私たちの今の心の距離なんだろうなって思う。


付き合いたての今はこれまでと大して変わらない。


だってそうでしょ?


付き合ったからと言って、急激に二人の仲が深まるわけじゃない。


すぐに手を繋ぐわけでもキスをするわけでもない。


ましてや、境界線を越えただけでいきなり一心同体になれるわけじゃないんだ。


まあ、全部がそう言う訳じゃない。


今まで、話したことない二人とかならそういうこともあるかもしれないから。


でも私たちはずっと、一緒にいた二人。


だからこそ難しい。


先に進むことが。


男女の関係として成立させることが。


男女が二人きりで一緒にいることは普通はあまりない。


けど、私たちは。


小さいころから一緒にいたから・・・。


「この後どうする?」


彼が聞いてきた。


「ん~・・・なんでもいいよ」


「門限は何時?」


「今日は何時でも」


「何時でもって・・・」


彼は苦笑しながら私を見た。


「隆弘が相手ならいいってお母さんが言ってたよ」


「・・・俺と遊ぶって言ったんだ?」


「言わない方が良かった?」


「別に・・・俺も言ったし。付き合ってるって言った?」


「それは言ってない。友達だと思ってるよ」


「そっか」


後ろめたいことでもあるのだろうか。


彼は、私から視線を逸らして空を見上げた。


目を合わせなくなり、どこを見ればいいかわからなくなった私は仕方なく彼と同じように空を見上げた。


雲の谷間から窮屈そうに私たちを照らす夕陽。


黄土色の空。


それらが、私の目に映った。


綺麗?


どうだろう。


今の私にはそんなのを吟味する気にはなれない。


だって鬱な日ではないから。


幸せな日だから。


そういう日は感傷に浸らない。


感傷に浸るのは、現実逃避したい時の私の癖。


今は現実をみたいんだ。


信じられないくらい幸せな現実を。


好きな人と付き合っているという現実を。


「どうするの?隆弘」


「何が?」


「この後の予定」


「ん~・・・考え中。今思い浮かぶのはカラオケとかかなぁ」


カラオケ・・・。


意外な言葉だった。


隆弘って歌とか歌うんだなぁって。


昔から一緒にいて一度も聴いたことがない隆弘の歌声。


興味があった。


「カラオケ行こ!」


「え?適当に言っただけだけど・・・」


「いいから、いいから!!」


私は半ば強引に彼を立たせて、カラオケ店に向かった。


その提案をしたことを後悔していた彼。


だけど、実際に歌声を聴いてみると・・・。


「上手すぎ・・・」


次元が違った。


趣味で歌うようなレベルの歌声とかじゃなくて。


普通にプロ並みのうまさ。


そして、何より私の心を動かしたのは・・・普段の声とは全く違う歌声。


美声で聴いてて心地のいいものだった。


「普通じゃない?」


彼は苦笑しながら言った。


「何言ってんだか・・・」


「じゃあ、惚れましたか?」


彼はマイクを使って聞いてきた。


「前からね」


私は微笑で返す。


すると彼は、少し離れた席から私の方へ近づいてきて・・・。


「ありがとう」


そう呟いて、私にキスをした。


突然過ぎたキス。


でも、嫌じゃなかった。


むしろ嬉しかった。


この時に改めて実感する。


好きなんだって。


坂本君の時とは違うんだって・・・。





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明日のストックはまだ書いていないので、タイトルは不明です。。


あと、このまま二人が幸せなのをひたすら書くのも癪だしだらだらになるので


次の展開に進みます!!