初詣。
参拝の列に並ぶ人はたくさんいた。
カップルで並んでいる人もいれば親子で並んでいる人。
友達同士で並んでいる人など様々。
その中で振り袖を着た人などもいる。
「綺麗だね」
思わず口に出たそんな言葉。
主語のない言葉に当然のように隆弘は「何が?」と聞いてくる。
「振り袖の人がだよ」
「ああ・・・そうだね」
反応が薄い。
「そうは思わない?」
「ん~・・・。別に俺は服装とかあんまり見ないから」
「あっそ」
なんか・・・服をわざわざ時間をかけて選んできた私が馬鹿みたいだ。
今度から、適当に選んで着てこよう。
なんて思っていると
「あ、でも好きな人の服装だったら別だけど」
そんなことを言ってくる。
一瞬にして、さっき心に思ったことを撤回して
「じゃあ、私の今日の服装は?」
レモンイエローのパーカーに白のPコート。
スカートはデニム地のミニ。
私なりに背伸びをして頑張った結果だ。
おかげで、足がめちゃくちゃ寒い。
なんで、女の子は普段からミニスカを履けるのかを疑問に思う。
まあ、今はそんなことはどうでもいい。
小首をかしげながら聞いた私に彼は少し照れながら俯き加減に
「可愛いよ」
そう答えた。
その言葉に思わず私も顔を赤くしてしまう。
「ありがと・・・」
なんて小さな声で言いながら。
参拝までの長蛇の列は信じられないくらいのスピードで緩和されていく。
私たちの番はすぐに来た。
いや・・・違うか。
スピードは変わらない。
毎年変わらず遅いんだ。
だけど、今年は相手がいる。
楽しいと思える、二人きりが嬉しいと思える相手がいる。
だから、こんなにも、普段は苦痛に感じる時間がとても速く、楽しく感じたんだ。
自分たちの番になる。
私と彼は隣同士に並んで、同時にお賽銭を入れた。
賽銭箱に当たって、中に落ちていく。
チャリン。
小銭が跳ね返る音は高い音ではあったが、嫌な気分がする音ではなかった。
彼が先に両手を合わせて目を閉じた。
・・・あ、意外にカッコいい。
じゃなくて・・・。
私も手を合わせて目を閉じる。
何を願うかは決めていた。
隆弘と一緒に行くと決まった昨日の夜から。
その願いは他力本願じゃないと叶わない願い。
自分の力だけではどうしようもないこと。
『隆弘が、幸せに暮らせますように・・・!!』
最初は、ずっと私たちの恋が続きますように。
とかそんなことを考えていた。
でも、そんなものは私次第。
努力でどうにかなる問題だ。
でも、彼の幸せまでに私は介入できない。
だからこそだ。
そこは神に頼んだ。
いるかいないか不透明な存在ではあるけど。
気休めにはなる。
「何お願いしたの?」
彼が聞いてきた。
「隆弘が幸せであるように願ってきた」
「え!?」
彼は目を丸くする。
「そんなに驚いた?」
「うん・・・。俺と全く同じだったから。俺も、理菜が幸せであるようにって・・・」
さすがに驚いた。
そんなに被るものなんだなぁって。
「きっと私たち、周波数ぴったりなんだね」
私は笑顔で彼にそういった。
「そうだね」
彼も笑顔で返してくれる。
私は信じてる。
彼との関係がずっと続くことを。
『勘違い』があったあの時期を越えて。
私達はお互いに愛し合えるのだと。
ずっと・・・ずっと。
こんなことを考えている私はまるで・・・。
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明日は74話「声」です