彼女と俺は今家の中で二人きり。
当たり前だけど意識する。
これで意識しないはずがない。
大きくて2人の間が離れているとはいえ、同じソファに座っている。
思春期の男女二人が・・・。
他愛もない会話が続く中で、違うことを考えたりもする。
彼女との会話に集中できない。
彼女の匂い、仕草。
一つ一つに目が行ってしまって。
できるだけ・・・平全を装う。
いたって普通だと。
別に女として見ていないから。
彼女にそう分からせるように。
自分に暗示をかけるように。
「隆弘が私の家に来ると安心だと?」
彼女はあきれ気味にそう言って、リラックスするように寄りかかった。
「君の親はそう考えたらしい」
「ずいぶんおかしな親だ」
「なんで?」
「この状況で安心できる親の気がしれないよ。思春期の男女二人だよ」
ごもっとも。
俺は心の中でそう返答するが、実際に口にした言葉はまた別だった。
「そうだね、普通ならすごく危ない状態」
あえて、俺は普通ならを強調する。
「普通なら?」
「普通なら」
「私と隆弘は普通じゃないの?」
心なしか・・・彼女の表情が険しくなった気がした。
多分、気のせいだとは思うけど。
「兄妹みたいなもの・・・。そう考えてるんじゃない?うちの親も理菜の親も」
「兄妹・・・ねぇ」
「まぁ・・・違うんだけど」
思わず出た言葉。
やば・・。
僕はすぐに口をつぐんだ。
けど、もう遅い。
彼女にはそれが聞こえていたらしく
「違う?」
そう聞き返してきた。
「なんでもない・・・。理菜は俺を異性として見てる?」
やばい。
そう思い、話を変えたはずだった。
がしかし。
聞いたことはまたもそっち系の話。
馬鹿か・・・自分。
「急に何さ?」
当然の理菜の返答。
「気になっただけ」
「見てるって言ったら?」
答えは出さない理菜。
答えの代わりに、俺を探るように見てくる。
まるで、その質問を俺にしているかのように。
「もしそうなら、俺は帰った方がいいかもね」
「なんで?」
「異性と二人きりは怖いだろ?」
冗談交じりに言った俺のセリフはなんだか、自分が逃げたいだけのように感じる。
「隆弘と二人は怖くないなぁ・・・人畜無害だし」
「失礼な」
少しカチンときた。
たしかに、襲うようなタイプではないが、そういう風に見られているとは・・・。
昔聞いたことがある。
理菜の好きなタイプを。
中学生の時理菜は、引っ張ってくれる、男っぽい人。
とか言ってたっけ。
じゃあ、俺は全くの対象外ってわけだ。
その時、理菜から思いもよらぬ言葉を聞く。
それは理菜らしくない言葉。
「人畜無害じゃないなら私を襲える?」
誘惑するように・・・試すように・・・。
普段の理菜とは違った一面が、俺の心を刺激する。
そして、妖艶な目が悪戯っぽく、目線だけで俺の瞳をくすぐる。
「襲ってほしいの?」
必死に・・・平全を装う俺。
今の感情を理菜が読みとっていたら・・・。
「無防備な女の子が真横に1人。襲うのが自然じゃない?普通なら」
さっきの俺と同じように、普通ならを強調する。
それがなにを意味しているのか、なんとなくわかった気がした。
「草食系男子なら襲わないと思うよ」
服の袖から見える理菜の胸元が。
柔らかそうな唇が。
妖艶な目が。
すべてが俺を誘惑しているように見えた。
俺はそれらに必死に抵抗しながら答えた。
「羊は狼を前にしたら襲うと思うよ?」
「いらない例えだな」
俺は・・・そんな低俗な狼じゃない。
自分にそう言い聞かせる。
「隆弘には私を襲う勇気はない?」
屋上で俺がやった時とは逆。
今度は理菜が俺の手を握った。
体温が伝わる。
理菜の温もりが・・・。
蕩(とろ)けそうになる理性を必死に抑えながら彼女を見た。
さっきまでの妖艶な目はそこにはなく・・・。
甘えるような目。
それが下から僕を覗き込んでいて・・・抑えるのが困難になっていく。
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さぁ・・・隆弘はどうする!?
ていうか、裕哉はどうした!?
という様々な疑問とともに・・・次回です!!ww
明日は理菜編か隆弘編か・・・。
考え中ですが、どっちにしろ、この先!!
二人がどうするのかが分かります!!
ではでは!
あ、裕哉君はまだ出てきませんww
一応、主人公なんですけどね~