54話 失うのは | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side理菜~


無言の時が続く。


君も私も・・・何も話すことはない。


私は感傷に浸って、君はなにを考えているかはわからない。


大切な君だけど。


私には君のことが分からない。


君の気持ちを知ることはできない。


それでも・・・大切な人だ。


今、一番失いたくない大切な人。


恋愛対象に見てはいけない・・・そんな人。


好き?


もし、そう聞かれても私は答えられない。


というより、わからない。


好きなのかもしれないし・・・そうじゃないかもしれない。


大切と好きは違う。


でも、同じ場合もある。


私は願いたい。


前者であることを。


君を好きじゃないと思いたいんだ。


もし、好きなら・・・。


裕哉さんの時と同じように、傍からいなくなってしまう。


話せなくなってしまう。


まだ、裕哉さんは遠い場所だからいい。


連絡を取ることもまだできる。


だけど、この距離で同じことが起きたら・・・。


きっと隆弘は私の前からいなくなってしまうだろう。


そんなのは絶対に嫌だ。


絶対に・・・。


その時だった。


彼が私の手を握ってきた。


ドクン。


心臓が波打つ。


ドクン・・・ドクン・・・。


何度も何度も。


君の手の温もりが私に伝わってくる。


温かい温もりが。


それは嫌じゃなかった。


というより、心地よく・・・そして嬉しかった。


自分の心は正直だ。


いくら否定しようとしても言い逃れはできない。


この瞬間に、私は実感した。


隆弘のことが好きだと。


最悪なことにこの人のことを好きになっていると。


幼馴染。


その存在を超越して、恋愛対象として。


不意に涙がこぼれた。


「隆弘・・・バカ」


温もりを感じながら私はそういった。


とても安らぐこの温もり。


嬉しいはずの私はそれとは対の言葉を発する。


彼が手を握ったことで、気付いてしまったこの気持ち。


恋愛は辛い。


誰だよ。


恋愛はいいものだとか言った人は。


「理菜・・・?」


彼はなにも分かっていない。


私の辛いこの気持ちも。


いつも鋭いはずの君なのに・・・何でこういう時は鈍感なんだよ。


「バカ・・・バカ・・・」


私は何度もその言葉を繰り返して、涙を流した。


好きになってしまった気持ちは自分ではどうにもできない。


変えられない。


なら・・・どうする?


答えはただ一つ。


裕哉さんの時と同じような轍を踏まないこと。


告白しようなんて考えないこと。


それが大事だ・・・。


裕哉さんのことは今でも好き。


そして、隆弘のことも好き。


失うのは・・・一つだけで十分だ。




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あと、昨日の隆弘サイド「僕」になっていたのを「俺」に直しました~


彼の一人称は「俺」なので。。