36話 矛盾 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「ありがとう」


彼は満面の笑みを浮かべた。


その笑顔が私の胸を締め付ける。


ごめん。


心の中でそう呟いて、


「これからは恋人としてよろしくね」


「うん」


こうして、私たちは恋人になった。


どこにでもいる普通のリア充。


それの仲間入りを果たしたんだ。


本当の意味のリア充なのか。


それは分からないけれど。


とりあえず、形は・・・。


この日、当然の流れのように私たちは一緒に帰ることになった。


沈みかけている夕陽は、力なく私たちを照らしている。


もうすぐ完全に沈んで、月が見える。


そんな時間になっていた。


部活がない日にこんな遅く帰るのは初めてだ。


・・・男の子と二人っきりで帰るのも初めて。


制服で、恋人と下校する。


こんなシュチュエーションはみんなの憧れ。


一度はやってみたい。


そう思ってる人は多い。


私も例外ではなかった。


でも・・・。


なんかモヤモヤする。


嬉しい・・・というより罪悪感。


自己嫌悪。


この二つが私の胸の中に漠然と、当たり前のようにあった。


「ねぇ、坂本君」


「何?」


「坂本君は私のどこを好きになったの?」


唐突すぎる質問。


彼は「え!?」って驚く。


そりゃそうだ。


こんな質問をいきなりされたら困る。


そして、戸惑う。


私だったら、答えたくないし。


「どこが好きって言われてもなぁ・・・」


「答えられない?」


「う・・・ん・・・。強いて言うなら性格です」


「強いて言うなら・・・って」


私は苦笑した。


「だめ?」


「そんなことないよ」


踏切で私たちは足を止めた。


カンカンカンカン。


甲高い耳障りな音とともに、遮断機が下に降りてくる。


垂直になったと同時に、遠くから大きな音が聞こえた。


数秒経って、電車が通っていく。


眼で追うのが難しいスピード。


私も坂本君もただそれを呆然と眺めている。


何の意味もなく。


人口が生み出した大きな風を真に受ける。


突風。


もしも、自然でこの風が吹いたなら、台風を予想するだろう。


それほどまでに強い風。


その風を受けながら、少しだけ・・・考える。


自分が今やっていること。


それはどういうことで、どんな意味があるのか。


考えれば考えるほど、愚かだって思う。


馬鹿だって思う。


利口になれって思う。


それでも、私は最善を尽くした。


そんなことを思う。


きっと、未来の私が過去の私を思い出した時に、最善ではなかった。


そう怒鳴りつけて、罵って、嘆く。


そうなることがなんとなくわかる。


矛盾してる?


うん。そうかも。


電車が通り過ぎていき、遮断機が上がる。


私たちは止めていた足をまた動かして前に進む。


二人並んで、ゆっくりと。


彼の手が少しだけ動くのが視界の隅で見えた。


その手は、何かをあきらめるように元の場所に戻って・・・。


また同じ行動を取って。


彼がなにをしたいのか、なんとなくわかった。


分かっても、私はなにも行動を起こさない。


理由はなにもない。


なんとなく。


ただ・・・。


私は裕哉さんの顔を思い浮かべた。


彼がとなりにいて・・・彼氏だったら。


迷わず私は自分から手を伸ばすだろうな・・・。





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この話、ほんと終わる気配が見えませんww


前回とか、ここらへんで詰まってきていたんですけどね。


まだ、九月。


明日もまだ九月中の話です。