ある人を待つ時間は異常なまでに長い。
その長さが私に決心を鈍らせる。
本当にこれでいいのかって。
いい。
私はそう即答できるわけじゃない。
だけど・・・。
その時だった。
私のクラスのドアが開いた。
そして、現れたのはとなりのクラスの坂本君だった。
「ごめん遅くなって」
「大丈夫だよ。なんかあったの?」
「心の準備です」
照れながら笑う彼。
「そっか」
そんな彼が可愛らしく見えた。
草食系。
そんな言葉が良く似合う彼。
坂本君は短髪でストレート。
ワックスなんて似合わなそうな可愛らしい顔つきの男の子だった。
もちろん、茶髪とかも絶対に似合わないだろう。
肉食系とか、チャラい男とかそんな言葉が似合わない彼が私に告白をしてきた。
それが、どれほどの勇気なのか。
何となくわかる。
告白をしたことのある自分なら。
「で、答えは決まってる?」
「もちろん」
私は静かに笑いながら答えた。
彼に告白されたのは三日前。
夏休みがあと1日で終わるという夜のことだった。
私は、宿題をすべて片づけて、一息をついていた。
「宿題終わったのか?」
お兄ちゃんが疲れきって、机で伏せている私にコーヒーを持ってきてくれた。
「ありがと。全部終わったよ」
私はコーヒーを受け取って、少しだけ口に含んだ。
「にがっ・・・」
「無糖ですから」
お兄ちゃんは笑いながら答える。
「嫌がらせ?」
「軽いね。はい、砂糖です」
お兄ちゃんはポケットから砂糖を取り出して、私に渡す。
「最初に渡そうよ」
私はブツブツと文句を言いながらそれを受け取って、マグカップの中にそれを入れて、かき混ぜる。
「あはは。ごめんごめん」
「理菜~!!」
一階からお母さんの声が聞こえた。
「なに~!?」
「電話よ!!降りてきないさい」
「は~い!」
電話・・・誰からだろ・・・。
「告白じゃねーの?」
お兄ちゃんが冷やかすように私にそういった。
「あり得ないでしょ」
私は苦笑しながらそういって、部屋を出て一階へと降りていく。
「だれから?」
私は受話器を受け取りながらお母さんに聞いた。
「坂本君・・・って人からよ」
・・・坂本君?
陸上部のリレーメンバーの一人だ。
うちの部活で3番目に速い男の子。
かなり速い。
私よりずっと。
そんな彼はとなりのクラスの男の子。
静かで内気な印象があった。
「もしもし?」
「あ、もしもし。高橋理菜さんですか?」
「あはは。そうだよ」
「何笑ってんの?」
「敬語ってのがなんか不自然すぎてさ」
「一応・・・ね」
「そっか。それで何か用かな?陸部のことに関して?」
「ん・・・違うよ」
「じゃあ、なに?」
「あのさ・・・高橋さん」
「ん?」
彼がなにを言おうとしているのか、私には全くわかなかった。
告白されるなんて縁がないものだと思っていたから。
「俺・・・さ。君のことが好きなんだ・・・」
だから、こんな言葉を聞いた時私は驚きすぎて、何の言葉も出なかったんだ。
そしたら、彼が
「今は答えなくていいよ。学校始った初日の放課後。高橋さんのクラスに行くからそこで待ってて」
「う・・・ん・・・」
「その時までに答えを・・・決めておいてね」
その優しい声のトーンは少し・・・。
少しだけ裕哉さんに似ていた。
そんな三日前のことを思い出しながら・・・彼の顔を見た。
「じゃあ、告白。もう一度お願いします」
なんて。
「え・・・まじか」
彼は恥ずかしそうに下を向いた後、まっすぐ私を向いて・・・。
けれど、顔は赤らめたまま
「俺は高橋理菜さんが好きです」
電話での告白の言葉と重なった。
「うん。いいよ」
私は彼の告白にokの返事をした。
これが嘘。
自分の心についた大きな嘘。
人の心を弄んだ自己中な嘘・・・。
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日曜日ですね。
眠いです。
では、明日。
明日も理菜編です。
というより、時の時間帯が裕哉に追いつくまでは理菜編なので。
裕哉は二月。
理菜はまだ九月なのでww