35話 初めての | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

ある人を待つ時間は異常なまでに長い。


その長さが私に決心を鈍らせる。


本当にこれでいいのかって。


いい。


私はそう即答できるわけじゃない。


だけど・・・。


その時だった。


私のクラスのドアが開いた。


そして、現れたのはとなりのクラスの坂本君だった。


「ごめん遅くなって」


「大丈夫だよ。なんかあったの?」


「心の準備です」


照れながら笑う彼。


「そっか」


そんな彼が可愛らしく見えた。


草食系。


そんな言葉が良く似合う彼。


坂本君は短髪でストレート。


ワックスなんて似合わなそうな可愛らしい顔つきの男の子だった。


もちろん、茶髪とかも絶対に似合わないだろう。


肉食系とか、チャラい男とかそんな言葉が似合わない彼が私に告白をしてきた。


それが、どれほどの勇気なのか。


何となくわかる。


告白をしたことのある自分なら。


「で、答えは決まってる?」


「もちろん」


私は静かに笑いながら答えた。


彼に告白されたのは三日前。


夏休みがあと1日で終わるという夜のことだった。


私は、宿題をすべて片づけて、一息をついていた。


「宿題終わったのか?」


お兄ちゃんが疲れきって、机で伏せている私にコーヒーを持ってきてくれた。


「ありがと。全部終わったよ」


私はコーヒーを受け取って、少しだけ口に含んだ。


「にがっ・・・」


「無糖ですから」


お兄ちゃんは笑いながら答える。


「嫌がらせ?」


「軽いね。はい、砂糖です」


お兄ちゃんはポケットから砂糖を取り出して、私に渡す。


「最初に渡そうよ」


私はブツブツと文句を言いながらそれを受け取って、マグカップの中にそれを入れて、かき混ぜる。


「あはは。ごめんごめん」


「理菜~!!」


一階からお母さんの声が聞こえた。


「なに~!?」


「電話よ!!降りてきないさい」


「は~い!」


電話・・・誰からだろ・・・。


「告白じゃねーの?」


お兄ちゃんが冷やかすように私にそういった。


「あり得ないでしょ」


私は苦笑しながらそういって、部屋を出て一階へと降りていく。


「だれから?」


私は受話器を受け取りながらお母さんに聞いた。


「坂本君・・・って人からよ」


・・・坂本君?


陸上部のリレーメンバーの一人だ。


うちの部活で3番目に速い男の子。


かなり速い。


私よりずっと。


そんな彼はとなりのクラスの男の子。


静かで内気な印象があった。


「もしもし?」


「あ、もしもし。高橋理菜さんですか?」


「あはは。そうだよ」


「何笑ってんの?」


「敬語ってのがなんか不自然すぎてさ」


「一応・・・ね」


「そっか。それで何か用かな?陸部のことに関して?」


「ん・・・違うよ」


「じゃあ、なに?」


「あのさ・・・高橋さん」


「ん?」


彼がなにを言おうとしているのか、私には全くわかなかった。


告白されるなんて縁がないものだと思っていたから。


「俺・・・さ。君のことが好きなんだ・・・」


だから、こんな言葉を聞いた時私は驚きすぎて、何の言葉も出なかったんだ。


そしたら、彼が


「今は答えなくていいよ。学校始った初日の放課後。高橋さんのクラスに行くからそこで待ってて」


「う・・・ん・・・」


「その時までに答えを・・・決めておいてね」


その優しい声のトーンは少し・・・。


少しだけ裕哉さんに似ていた。


そんな三日前のことを思い出しながら・・・彼の顔を見た。


「じゃあ、告白。もう一度お願いします」


なんて。


「え・・・まじか」


彼は恥ずかしそうに下を向いた後、まっすぐ私を向いて・・・。


けれど、顔は赤らめたまま


「俺は高橋理菜さんが好きです」


電話での告白の言葉と重なった。


「うん。いいよ」


私は彼の告白にokの返事をした。


これが嘘。


自分の心についた大きな嘘。


人の心を弄んだ自己中な嘘・・・。




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日曜日ですね。


眠いです。


では、明日。


明日も理菜編です。


というより、時の時間帯が裕哉に追いつくまでは理菜編なので。


裕哉は二月。


理菜はまだ九月なのでww