25話 満月 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

今日僕には彼女ができた。


その相手と相思相愛なのかということは別にして。


ただ、少なくとも相手は僕のことを好きだと思ってくれているらしい。


ありがたいことだ。


こんな僕みたいな人間を好きになってくれるなんて。


こんな・・・最悪な僕を。


夜中。


時間は深夜1時。


僕は、まだ都会の街中をうろついていた。


彼女はもう電車に乗って家に帰って行った。


というより、ダダをこねている彼女を帰らせた。


帰らせた理由は簡単なもの。


時間も時間だったから。


11時を回って、終電の時刻が近づいてきて。


これ以上いたら彼女が帰れなくなってしまって。


だから、帰ってもらうことにした。


彼女はまだ帰りたくないとか言ってたけど。


それはまずいと思ったんだ。


そのまま一緒にいたら・・・。


初日とは思えない行為をするかもしれないと思ったから。


僕らは結局キスもしないまま。


彼女は名残惜しそうにこっちを見ていた。


今度ね。


とか言って、彼女の頭を撫でた。


今思うと自分って大胆かも・・・。


なんて・・・。


1時を回ると、外はほとんど誰もいなかった。


みんなどっかしらの店に入っているのか、帰宅しているのか。


それか、大通りじゃなくて、脇道で酔いつぶれているのか。


ちょくちょく見る人は、大概誰かの肩に凭れかかって辛そうな表情やら


幸せそうな表情やら。


お酒に酔っている人の表情は様々。


あとは、援助交際なのか高校生らしき人と、サラリーマン見たいな人が一緒に歩いていたり。


男は、女の肩を抱いて歩いている。


夜の東京は今の日本の縮地図。


あまりいい風景ではなかった。


じゃあ、なんでこんなところを歩いているのか。


意味はあまりない。


家に帰りたくなかった。


それだけかも。


電車もなくなって帰る手段もない僕。


お金はある程度持ってきてはいるが、タクシーで帰れるほどのお金があるかと聞かれたら・・・。


ないと答えるしかない。


「ねぇ。お兄さん、うちのみせはいっていかな~い?」


お姉さんに声をかけられる。


・・・。


どう考えても、僕みたいな歳の人に勧誘していい店じゃないだろ・・・。


看板を見て思った。


「いいです」


僕は、素っ気ない態度で彼女の横を通り過ぎて行った。


僕は空を見上げた。


満月が見える。


欠けてない完璧な満月が。


今この満月を何人の人が見ているだろうか?


その人達は綺麗だ、とかいいながら見ているのだろうか?


てか・・・。


この時間。


それを見ながら、浸っている人は少ないだろう。


歩いていると、公園が見えてきた。


山口綾香といた公園とは違う公園。


あそことは違ったもっと小さい公園。


遊具もブランコと滑り台だけ。


閑散とした公園だった。


僕は公園の中に入って、木で作られたベンチに座った。


さすがに・・・。


僕は周りを見渡す。


この時間・・・公園には誰もいないか。


僕は、座りながらもう一度空を見上げて・・・。


眼を閉じた。


今日会ったことを思い出しながら。


山口綾香。


彼女とのデートを。




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