20話 背中あわせ | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

動物園の隣にある公園。


彼女はそこへと足を進めていく。


そこは、光が少ない。


点在している街灯の間隔は広く、見ずらそうな場所が多々ある。


公園の中に入っていく。


広々とした公園。


地図まである。


彼女はそれを見ようとはせず、奥へと進んでいく。


僕にはすでにここがどこだかわからない。


その時前方から二つの影が近づいてきた。


・・・カップルか。


そのカップルとすれ違う。


手を繋いで楽しそうに話していた。


「いいよね。ああいうの」


「恋人が?」


「うん・・・」


「山口さんならすぐできると思うよ」


その言葉を聞いて、彼女は足を止めた。


そして、僕の方を向く。


袖を掴む力が増す。


「できないよ・・・」


寂しそうな顔を浮かべて言った。


「より好みしなければ、できると思うよ」


「・・・。誰でもいいわけじゃない。私は・・・好きな人がいいんだ」


彼女の眼から・・・一粒の滴が地面に落ちた。


その滴は地面に綺麗な斑点模様を描き出す。


「好きな人・・・いるんだ?」


「いるよ・・・。ずっと想ってきた人が。私にはその人以外の相手と手を繋ぐなんてありえない」


「そんなに・・・好きなんだ?」


彼女は、顔を上げて僕の眼を見た。


「うん。私はその人しか見えない・・・」


一種の告白だ。


どんなに鈍感な奴でもわかるだろう。


僕はなんて返事を返せばいいだろうか?


好きな人はいる。


過去のあの人。


気になる人もいる。


でも、彼女という存在はいない。


今までも。


好きな人がいながら他の人と付き合ってきた。


そう考えると答えは簡単・・・のはずだけど。


「・・・」


僕は言葉に詰まる。


彼女は涙を目に浮かべたまま、優しい笑みを浮かべた。


「困らせてごめん。もう少し歩こ?」


彼女は、涙を拭きながらまた歩き出す。


その背中が異様に寂しく見える。


小さい彼女の背中はなにを物語っているのだろうか?


分かるようで・・・わからない。


僕は小走りで彼女の横に並んだ。


二人、無言で歩く。


ベンチに座ってキスをするカップル。


物陰でいちゃつくカップル。


・・・嫌な気分になる。


僻み?妬み?


そうじゃなくて・・・。


公園の出口についた。


すると彼女は、ゆっくり僕の後ろに回って背中を合わせた。


「どうしたの?」


「顔・・・見ると恥ずかしいからこのまま聞いて」


「わかった」


「やっぱ、今日言うしかないんだなって思ったの」


「・・・何を?」


「言うべきことを。さっきは曖昧なままでいいかなって思ったんだけど、どうせ小林君も気づいてると思うし、ちゃんと伝えないで気不味気なるんだったら伝えちゃった方がいいと思って」


彼女の手が僕の手に触れた。


一瞬触れて、またすぐに遠くの位置に手が置かれる。


「私・・・小林君のことが好きだ・・・」


告白。


僕はなんて返事をするか悩んでいた。


一途にその人だけを思えない僕の答えは当然決まっていながらも。


悩んでいる。


もし。


理菜さんなんて人がいなければ悩んですらいなかったとは思うけど。


さっきも悩んだ。


そして、浮かばなかった結果。


こうやって今に持ちこされて。


山口綾香の秘めたる思いに・・・。


僕は答えるべきか否か。


僕は一度、頭の中の記憶を削除した。


真っ白にした頭で考える。


僕は何て答えを出すべきか。





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さぁ!!


何て答えを出すのか!!


付き合うのか付き合わないのか・・・。


次回には・・・わかりません!!


明日は理菜編ですww