17話 主導権 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

日曜日。


今日は山口綾香と会う日だった。


起床時間は8時。


夏休みなのに、嫌に健康的な起床時間だ。


眠くてしょうがない。


「ふぁぁぁ」


欠伸をしながら僕は上半身を起こした。


僕は洗面台に向かって、顔を洗って。


着替えて、行く準備をした。


合計で30分・・・だろうか。


女の子はデートとか準備をするのに時間がかかるらしい。


髪を整えて、化粧をして、服を選んで。


相当時間がかかる。


前の彼女が言ってた気がする。


まぁ・・・人によって違うのだとは思うが。


僕はあえて、足音を立てながらリビングを歩く。


あの女を起こすように。


この時間、あの女はいつも寝ている。


起きるのは基本的に12時を過ぎてから。


起きたら、その後は、テレビを見たりゴロゴロしたり。


とにかく、人生を満喫している。


あの女の名目は一応専業主婦。


だけど、家にある機械をフル稼働させて自分はほとんど動かない。


食器洗い機とか、自動掃除機とか。


これだけ、うるさくしていれば起きるだろうか?


と思ったが、全く起きてくる気配はない。


無駄な労力だったと苦笑しながら、僕は靴を履いて家を出た。


エレベータを使って一階まで下りて。


自動ドアを通って外に出て。


空は薄く広がった雲が太陽を隠していた。


電車に乗って、待ち合わせの駅まで向かう。


上野だ。


彼女がここを指定してきた。


一回の乗り換えを済まして、上野に到着した。


改札を通って外に出る。


彼女はどこにいるのだろうか?


それともまだ来てないかな・・・。


僕は腕時計を見た。


9時50分。


・・・10分前か。


まだ、来てないかも。


僕は近くの柱に寄りかかり、彼女にメールをした。


『今どこにいる?』


するとすぐに彼女から返信が来た。


『真後ろ』


そう彼女がら返信が来た。


真後ろ・・・?


そこにあるのは当然柱。


彼女はいない。


あ・・・。


意味を理解した。


僕は、柱の逆側を見る。


「気付かなかった?」


「全く」


「それは残念」


「なにが?」


「気付いてくれなかったのが」


彼女はわざとらしくため息をつく。


「こんなたくさん人がいたら見逃すよ」


「たくさんいても、君の眼にとまるような存在になりたい」


可愛らしい目が下から僕を見てくる。


こんな近くで山口綾香を見たことがなかった。


改めて、こうして見てみると、みんながアイドルみたいと言っているのがが納得できる。


化粧は薄いにもかかわらず、すごく整っている顔立ち。


「何言ってんだよ・・・」


自分の顔が赤くなるのがわかったので、少し彼女から視線を外し、横を見た。


「照れた?」


彼女は、横を向いた僕の方の視界に入るように、ひょいっと右側に移動した。


「別に・・・」


なんか・・・。


主導権を握られた気がする。


「小林君」


「何?」


「今日は一日よろしくね!」


彼女は満面の笑みを浮かべてそういった。


その笑顔の可愛さに圧倒されながらも


「こちらこそ」


なんとかそう返事を返した。






にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

↑ ↑ ↑

押してください~!!

励みになるので。



どうでしたでしょうか?


山口綾香とのデートが何話かにまたいで続いていきます。