日曜日。
今日は山口綾香と会う日だった。
起床時間は8時。
夏休みなのに、嫌に健康的な起床時間だ。
眠くてしょうがない。
「ふぁぁぁ」
欠伸をしながら僕は上半身を起こした。
僕は洗面台に向かって、顔を洗って。
着替えて、行く準備をした。
合計で30分・・・だろうか。
女の子はデートとか準備をするのに時間がかかるらしい。
髪を整えて、化粧をして、服を選んで。
相当時間がかかる。
前の彼女が言ってた気がする。
まぁ・・・人によって違うのだとは思うが。
僕はあえて、足音を立てながらリビングを歩く。
あの女を起こすように。
この時間、あの女はいつも寝ている。
起きるのは基本的に12時を過ぎてから。
起きたら、その後は、テレビを見たりゴロゴロしたり。
とにかく、人生を満喫している。
あの女の名目は一応専業主婦。
だけど、家にある機械をフル稼働させて自分はほとんど動かない。
食器洗い機とか、自動掃除機とか。
これだけ、うるさくしていれば起きるだろうか?
と思ったが、全く起きてくる気配はない。
無駄な労力だったと苦笑しながら、僕は靴を履いて家を出た。
エレベータを使って一階まで下りて。
自動ドアを通って外に出て。
空は薄く広がった雲が太陽を隠していた。
電車に乗って、待ち合わせの駅まで向かう。
上野だ。
彼女がここを指定してきた。
一回の乗り換えを済まして、上野に到着した。
改札を通って外に出る。
彼女はどこにいるのだろうか?
それともまだ来てないかな・・・。
僕は腕時計を見た。
9時50分。
・・・10分前か。
まだ、来てないかも。
僕は近くの柱に寄りかかり、彼女にメールをした。
『今どこにいる?』
するとすぐに彼女から返信が来た。
『真後ろ』
そう彼女がら返信が来た。
真後ろ・・・?
そこにあるのは当然柱。
彼女はいない。
あ・・・。
意味を理解した。
僕は、柱の逆側を見る。
「気付かなかった?」
「全く」
「それは残念」
「なにが?」
「気付いてくれなかったのが」
彼女はわざとらしくため息をつく。
「こんなたくさん人がいたら見逃すよ」
「たくさんいても、君の眼にとまるような存在になりたい」
可愛らしい目が下から僕を見てくる。
こんな近くで山口綾香を見たことがなかった。
改めて、こうして見てみると、みんながアイドルみたいと言っているのがが納得できる。
化粧は薄いにもかかわらず、すごく整っている顔立ち。
「何言ってんだよ・・・」
自分の顔が赤くなるのがわかったので、少し彼女から視線を外し、横を見た。
「照れた?」
彼女は、横を向いた僕の方の視界に入るように、ひょいっと右側に移動した。
「別に・・・」
なんか・・・。
主導権を握られた気がする。
「小林君」
「何?」
「今日は一日よろしくね!」
彼女は満面の笑みを浮かべてそういった。
その笑顔の可愛さに圧倒されながらも
「こちらこそ」
なんとかそう返事を返した。
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どうでしたでしょうか?
山口綾香とのデートが何話かにまたいで続いていきます。