~side理菜~
「裕哉さんにそばにいてほしいなぁ・・・って」
私はなにを言っているのだろう?
何でこんな積極的に私は彼を誘っている・・・?
「まだ、今日会ったばかりですよ?」
裕哉さんは戸惑いながらもっともなことを言った。
「初めてってことですか?」
「はい」
やっぱり。
やっぱり彼は私のことを知らない。
わかっていたけど、少し残念に思えた。
残念に思うってことは、少し期待していた部分があったから。
名もない選手であった私。
有名な選手であった彼。
中学生だった私。
高校生の彼。
どう考えても、彼が私のことを知ってるはずがないのに。
すれ違ったとしても、覚えてるはずないのに。
・・・バカみたいな期待をしてしまっていた。
まあ・・・今はそんなことはどうでもいい。
彼が目の前にいるのだから。
今私がすべきこと。
それは・・・。
「あなたはそうかもしれないけど、わたしは・・・」
そう。
私は・・・。
「あなたのことを前から知ってた・・・」
彼の顔は見れなかった。
私は下を向きながら、彼の返答を待つ。
「え・・・?いつ・・・?」
「陸上の大会の時。その時からずっとあなたを知ってた・・・」
「あ・・・そうなんですか」
「はい。だから・・・初めてなんかじゃない!」
で?
って聞かれるような答え。
だからなんなんだ。
初めてじゃないから?
泊まれとでも?
私は内心肩をすくめて苦笑した。
自分が言っていることが意味不明で。
でも、彼は「だから?」なんてことは聞かなかった。
「そっか・・・」
なぜか・・・。
なぜか、彼は私の体を抱きしめた。
「ふぇ!?」
私は意味がわからず素っとん狂な声を出す。
「僕なんかのことを覚えてくれてありがとうございます」
彼の声が耳元で聞こえる。
ドキッてしてしまうような声。
少し低めで線が細い声。
「私・・・ずっとあなたに・・・」
言ってしまおうか。
言ってしまえば、今、接触している体が離れてしまうかもしれない。
それか、抱きしめてくれる力が強くなるか。
・・・後者になる可能性は限りなく低いけれど。
それに、失敗すれば連絡先すら聞けなくなるかもしれない。
聞ければ、仲良くなれるし、これからアピールもできるかもしれない。
なら・・・。
まだ言うのは早い。
「あなたに憧れてたんです」
「ありがとう・・・でも、家に泊まるのはちょっと・・・」
彼は、私から体を離した。
健全な人だ。
そんなことを思う
「なんでですか?」
「なんでもです。もう少し仲良くなってからですよ。そういうのは」
まるで、小さい子をあやめるかのような彼の口調。
「そうですよね。明日から、どこ回るんですか?」
「ん~・・・名古屋から出て、愛知全体を」
「そうなんですか。じゃあ・・・もう会えないかもですね。それは嫌だから・・・」
私は携帯を取り出して
「アドレス、教えてもらっていいですか?」
ドクン・・・ドクン・・・。
これを聞くのは大変。
でも、今聞かないときっと後悔することになるから・・・。
「あ、はい」
そんな私の重い決意とは裏腹にあっさりと彼は承諾してくれた。
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え~・・・。
二日連続で遅くなりました。
すいません。
とりあえず、明日からはこういうことはないとは思うんですけど。
少し忙しかったって感じです。
あ~・・・すいません。