6話 第一声 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

結局ーー。


私は、その彼に話しかけることはできなかった。


自分の不甲斐なさに苦笑する。


私は彼の横を通り過ぎただけ。


名前も知らない人の。


きっと彼は私のことを視界に入れてすらいないだろう。


そう考えると少し哀しいがそれが当たり前だ。


彼と話したい。


その感情が泡のようにぶくぶくと膨らんでいく。


でも、会うことはできないわけで・・・・。


もう彼に会うことはない。


最大のチャンスだったのかもしれない。


まあ・・・。


人違いかもしれないし。


そんな自分の中で諦めるための理由を勝手に作る。


もしも。


もう一度会えたら今度は話しかけよう。


あの人に。


思い出せない名前。


だけど、一目惚れをしたあの人に。


いや・・・違う。


今だ。


もう一度会ったらなんて考えじゃだめだ。


私は足を止めた。


そして、彼がいなくなった方を向く。


「会いたい・・・」


話したい。


絶対無理だって、報われないって思っていた恋。


それが少しずつ現実味が出てきた時、そんなことを思う。


気付いたら私は走っていた。


彼はどこに行った?


考えろ・・・考えろ。


ここから近くの観光名所は・・・。


走りづらい革靴。


だけど、今はそんなことを気にする余裕はない。


ついた場所は名古屋城。


きっと・・・ここに。


私は、拝観料を払って中に入る。


何度も入ったことのある名古屋城。


はっきり言ってこの建物に興味はなかった。


歴史とか好きじゃないし。


彼の姿を探す。


いなかったら・・・。


いなかったら諦めよう。


そして、さっき話しかけなかった自分を呪えばいい。


辺りを見渡す。


観光客の中に彼はいる?


はぁ・・・はぁ・・・。


走っているうちに息があがってきた。


・・・情けない。


仮にも陸上部なのに。


もうすぐ一周するというところまで見えた。


いない・・・かな。


と思ったその時だった。


名古屋城を見上げる一人の男の子。


「あ・・・」


思わず声が出る。


また・・・会えた。


本当に奇跡。


いや、違う。


運命。そう呼んでもいいかな・・・?


息を整える。


彼は後ろにいる私に気づいていない。


ふぅ・・・。


大きく息を吸って・・・吐いて。


笑顔・・・笑顔・・・。


自然に・・・自然に・・・。


色々な暗示を自分にかけて。


一条の風が吹く。


彼の髪がふわりと浮いた。


行け・・・!!


「お城・・・好きなんですか?」


彼に話しかけた第一声。


それがこのセリフだった・・・。




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やば・・・。


夜中勉強してたらいつのまにか寝てました。


今日のテストやばいなぁ・・・。


頑張らねば・・・。