雨は降り続ける。
2人は傘を手に持ち、さしながら道を歩いていく。
「裕哉さんはこの後どうする予定なんですか?」
「僕ですか?そうですね・・・お腹すいたのでお昼でも食べようかなと思っています。雨宿りも兼ねて」
そう言って僕は空を見上げた。
空は相変わらず雲で覆われている。
さっきは太陽を恨めしそうに見ていたけど、これはこれで嫌なものだ。
「お昼ですか。私、なにもまだ食べてないんですよね」
・・・。
回りくどい言い方。
「じゃあ。一緒にどうですか?」
僕がそう聞くと、彼女は目を輝かせて
「いいんですか!?」
「いいですよ、どこがいいですかね?」
「私に聞くんですか・・・」
「地元の方なら、知ってるんじゃないかなって・・・」
「ん~・・・そうですね。ひつまぶしとかでしょうか?」
「いいですね。どこにありますか?」
「案内しますよ」
彼女は、大通りから裏道に入っていく。
「そういえば、裕哉さんはいくつなんですか?」
「なにがですか?」
「歳ですよ。私は聞かれてけど、聞くの忘れてたので・・・」
「僕は17です」
「高2?高3?」
「高3」
「・・・受験生じゃないですか!!」
彼女は目を大きく見開いた。
「そう・・・ですけど」
「勉強はいいんですか?」
「推薦なので」
「頭いいんですね~」
ふいっと彼女は横を向く。
「いや・・・よくないですけど・・・」
「謙虚なんですね」
「そんなことないです」
細い道を通ると、傘が壁に当たる。
ガン・・・ガン・・・。
買ったばかりの傘に傷がついていく。
「あ、つきました」
裏道を抜けて大通りに出たところで見つけた、大きな店。
「ここのひつまぶしおいしんですよ」
「へぇ・・・楽しみです」
************
「どうでしたか?」
食べ終わった僕に彼女が聞いてきた。
「美味しかったです」
「それはよかったです」
僕は窓から外を見る。
傘を差している人はいない。
雨を降らしていた雲も、今はなく、薄い雲に変わっていた。
「雨もやんだし・・・外に出ますか?」
「そうですね」
彼女は頷いた。
僕は、伝票を持って会計へと向かう。
「ご一緒でよろしいですか?」
店員さんのよくあるセリフ。
「あ、いえーーー」
彼女が違う、そう言おうとしたのを僕が制する。
「一緒でいいです」
「ちょっと・・・裕哉さん?」
「一万円崩したいんですよ」
僕は財布から一万円札を取り出す。
「~・・・でも」
「いいから」
僕は、おつりをもらって、店から外に出た。
「ごちそうさまです。そんなつもりはなかったんですけど・・・」
「別にいいじゃないですか」
「よくないですよ~・・・」
しゅん、と彼女は下を向く。
「じゃあ、今日一日、名古屋を案内してくれませんか?それでチャラってことで」
ダメ元で頼んでみる。
その中で・・・少しだけ期待しながら。
すると彼女はパッと顔を輝かせて
「わかりました!名所をご案内させていただきます!」
あっさりと承諾してくれる彼女。
「あ、いいんですか」
「ダメって言うと思いました?」
「はい」
「なんでですか?」
「この後さすがに予定があるのかなって思いまして・・・」
彼女は表情を曇らした。
「ありますよ」
「え・・・じゃあ、そっち優先してもらって・・・」
「いいんですよ。それよりも私は・・・」
彼女は僕の方に近づいてくる。
そして、手を掴んで。
「こっちを優先させたいんです」
今日一日で彼女の笑顔を何度見ただろう。
まだ、会ってそんなに経ってないのに、数えきれないほど。
彼女は何で、こんなに僕に笑顔を見せてくれるのだろうか。
そして、なんで彼女はこんなにも僕に親身に接してくれるのだろうか・・・・?
↑ ↑ ↑
押してください~!!
励みになるので。
まだ・・・全く分からない状態ですか・・・。
これから、理菜についても分かってくると思います。
ていうか、明日ですね。
明日から理菜sideなので。
あとこの話は、完全にこの二人を中心に回って行きます。
後半に前作でいう大介ぐらいの人は出てきますが、
それまではこの二人だけ。
他の人のsideは登場しません。
ただ・・・登場人物は多いです。