2話 秘密 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

ブラブラ歩いていてもしょうがないので、目的地を決めることにした。


地図を見る。


現在地を確認して、観光客が行きそうなスポットを探す。


ここから近いのは・・・名古屋城だった。


僕は地図にしたがって道を歩いている。


それにしても・・・。


僕はきょろきょろあたりを見渡す。


東京よりも都会なんじゃないの?


そんなことを思うくらいの栄え具合。


名古屋城に着く。


観光客はたくさんいた。


今日は平日のはずなのに・・・。


まあ、もう夏休みに入っている人も多数いるということだろう。


名古屋城。


その最上部には金のシャチホコがいた。


二体、対になるような形で。


城に詳しくない僕にはなんでそうなっているのかはわからない。


というより、まず僕は城が好きではない。


じゃあ、何で見に来たのか。


・・・特に意味はない。


「お城・・・好きなんですか?」


後ろから誰かが声をかけてきた。


・・・女の子の声だ。


「いや・・・別に・・・」


僕は後ろを振り返る。


そこにいたのは、さっきの女の子だった。


「え・・・」


思わず、驚きが声に現れる。


「初めまして」


にこやかに彼女は笑う。


だけど、こっちは笑えない。


なんでこの人が話しかけてきたのか。


なんでここにいるのか。


色々な疑問が頭の中を駆け巡る。


そして、たどり着いた結論は・・・。


皆無。


全く分からなかった。


「えっと・・・初めまして」


ぎこちない返事しか返せない。


「今疑問に思ってますか?」


「何がですか?」


「私が話しかけてきたこと」


「え・・・あ、はい」


「名古屋では、普通ですよ。こうやってナンパじみた行為をするのは」


「そうなんですか!?」


そんなバカな。


地方が違うからといってそんなことがあるのか・・・?


「冗談ですよ」


手を口元に当ててくすっと笑う彼女。


なにがなんだかわからない。


「初対面の人に冗談を言うのはスタンダードですか?」


「どうでしょう?」


「・・・はぁ」


よくわからない女の子だった。


最初のイメージとはずいぶん違う。


もっと大人しくて清楚な感じ。


そんなイメージを持っていたんだけど。


ずいぶん気さくな人・・・かな。


まあ、まだ長時間一緒にいたわけじゃないから正確に相手のことを知れたわけじゃないけど。


ただ・・・。


興味は沸いた。


さっきのすれ違った時だけの時よりよっぽど。


「それより、何で僕に話しかけてきたんですか?」


彼女は少し何かを考えた後、


「秘密です」


人差し指を立てて口元に当てた。


「・・・秘密ですか。制服ってことは今日は学校ですか?」


「学校はもう終わってます。部活ですよ」


「部活ですか。何の部活ですか?」


気がついたら、質問を繰り返している自分がいた。


初対面の人と。


最近の人たちは人見知りの人が多いらしい。


そして、草食系が。


だから、知りあう人たちが限られる。


学校や、バイト先とか。


強制的に話さなければいけない空間。


そういうのがなければ、友達にはなれない。


見つけられない。


話せない。


だからこういうパターンは珍しい。


何の共通点もないふたりがこうして話しているのだから。


「当ててみてください」


そう言って、彼女はその場でくるりと回転してみせた。


革靴なのに、軸足がぶれない。


ってことは・・・。


「ダンス・・・とか?」


「違います」


「正解は?」


彼女は楽しい人だ。


だけど・・・


「ん~・・・秘密です」


分からないことだらけだ・・・。




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