最終話 手を握って | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

信号が青に変わった。


「翔!!」


横断歩道を走って僕の方に駆け寄ってくる紗希。


訳がわからない。


嬉しいの前にその感情が先に出た。


・・・なんで紗希がここに?


紗希が近づいてくる。


大好きな女の子が。


目の前。


紗希は僕に抱きつく。


「会いたかった・・・」


そう言って。


愛しの妹の・・・。


大好きだった女の子の・・・。


昔は毎日触れることができて、もう触れられないと思っていた人の・・・。


肌に触れた。


耳元で声を聞いた。


僕も紗希の背中に手を回し、彼女を抱きしめた。


「紗希・・・僕も会いたかった」


「ありがと・・・」


「ねぇ・・・紗希」


「ん?どうやってここに・・・?」


「秘密」


紗希は一度体を離した。


そして、今度は顔だけを近づけてきて・・・。


唇を重ねた。


紗希からのキス。


今まで滅多にないもの。


それほど、僕に会いたかった・・・。


そう捉えていいだろうか?


・・・それは傲慢?


紗希は舌を絡めてくる。


「ん・・・」


甘い声を出しながら。


僕はもう一度紗希を抱きしめた。


雨が2人の体に当たる。


ザァァァ!!


また勢いを増してきた。


でも、もう冷たさを感じなくなっていた。


感じるのは・・・彼女と触れ合っている温かさ。


ただそれだけ・・・。


******************


~side紗希~


やっと・・・会えた。


大好きな人に。


このことが両親にばれたらどうなるだろうか。


すごく怒られるだろうな・・・。


でも、大丈夫。


ばれないはずだ。


今日は由衣の家に泊まることになってるし。


北海道は台風が直撃するっていう話は本当だったらしい。


よかった。


まだ飛行機が動いていて。


よかった。


翔に会えて。


はっきり言って会えるなんて思っていなかった。


ダメ元。


住所も知らない相手。


とりあえず、栄えている場所に行ってみよう。


そんなことを想ってきてみたけど。


「翔・・・一年間・・・私ずっと・・・君だけを見てた・・・」


「僕も・・・」


そう返事をしてくれるのがすごい嬉しい。


怖かったんだ。


君がどう思っているのか。


会うまでずっと。


どうせ会えないかもしれない。


そんなことを思っていたから、こうやって北海道まではこれて・・・。


そして、翔を見つけた時、怖いなんて感情は消えていた。


というより忘れていた。


会えたという喜びで、消え去っていたんだ。


でも、抱きしめて思った。


君の反応が少し良くないかもしれないってことに。


戸惑った君の声。


反応。


どれもが、私の不安を煽った。


急に怖くなった。


私がただ、会いたがっていただけじゃないかって。


翔は、もう吹っ切れて、新しい恋を始めたんじゃないかって。


嬉しいという思いが一気に冷めて。


怖いになった。


その怖いをなくすために・・・。


消すために・・・。


もう一度聞こう。


************************


~side翔&紗希~


私は翔から離れた。


もう一度。


そして、雨にぬれた彼の顔を見た。


「翔・・・大好き。今までずっと・・・ずっと。そしてこれからも・・・」


涙がこぼれてきた。


でも、大丈夫だろう。


その涙は雨によって消されるから。


流されるから。


紗希のその言葉はすごく嬉しいもので・・・。


「僕も・・・紗希が好きだ・・・。今までも・・・これからも。紗希だけ・・・」


本当の気持ち。


嘘偽り一つないもの。


僕達は2人見つめあって・・・。


「好きだ・・・」


僕は紗希の手を握った。


「ありがと。大好きだよ」


私は握られた手を握り返した。




君の温もりを感じながら・・・。






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明日、10年後を書いてこの物語は終了です。


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