大きなデパートを見たり、小さな雑貨屋を見たり。
僕は色々なところを見た。
都会とは違った、栄えている町。
神奈川にいた時とは少し違う。
夕方になるにつれて人通りが減ってきた。
普通は多くなるはずの時間帯。
台風に備えてってことなのだろう。
直撃する前に帰らないと電車も止まるし。
とはいうものの、まだ帰ってない人もたくさんいる。
ショッピングモールの中に入る。
三階。
子供たちが遊ぶ場所の隣に、笹が飾ってあった。
そこに、たくさんの紙が吊るされている。
僕はその紙を見てみる。
『悠馬と結婚できますように!! 愛美』
可愛らしい小さな文字で大きな決意だ。
その願いはかなうだろうか?
しっかりした文字なので、中学生か高校生か。
少なくとも小学生ではないだろう。
結婚。
そんなの僕には到底浮かばない単語だった。
今は恋愛で十分。
そう思っていたから。
・・・というより先なんて考えられる状況になかった。
あの時は・・・。
他の願い事を見てみる。
『野球選手になりたい』
『卓球の選手になりたい』
『パティシエになりたい』
様々な願い。
『妻が機嫌が直ってほしい』
思わず笑ってしまう。
切実過ぎる。
それは願うものじゃないだろ。
自分の力できっとどうにかできる。
妻だって、好きで結婚してくれたんだから。
なんて。
偉そうなことを言っても、僕にはその夫婦の現状がわかるわけじゃないし、
結婚もしてない未成年。
なにがわかる?
何もわからない。
僕は、一通りの願い事を見て、ショッピングモールを後にした。
外はまだ雨が降っていなかった。
ほんとよく外れる天気予報だ。
午後5時。
次々に明かりが灯っていく。
一面は雲に覆われている。
ゴロゴロゴロ・・・。
遠くから雷の音が聞こえた。
もうすぐ・・・かな。
ゴロゴロゴロ・・・。
今度の雷は近い。
お祭りで花火を見た時ぐらいの大きい音。
と同時に・・・。
勢いよく雨が降ってきた。
ザァァァ!
今までに浴びたことのない雨量。
まるでシャワーだ。
まあ、シャワーは服を着たまま浴びるもんじゃないが。
台風の時、傘も持たずに外にいたことはない。
だから、当然だがこんなに雨にぬれたこともない。
僕は台風を見くびっていた。
凄まじい雨の量。
これじゃあ、打ちひしがれるどころじゃない。
紗希のことを考える余裕もない。
大粒の雨は凶器だ。
重い塊が体を打ちつける。
一粒一粒が結構痛い。
僕は、とりあえず店に入ろうと辺りを見渡すが、視界が悪すぎてどこになにがあるのかすらわからない。
「これ・・・やばいだろ」
風も次第に強くなっていく。
・・・今までこんな強い台風に遭遇したことがない。
風が強すぎて、踏みとどまるのが精いっぱい。
雨で視界が遮られて、どこになにがあるのかもわからない。
こうなったら、何もできない。
お手上げの状態だった。
とりあえず、止むのを待つしかない。
・・・。
風はすぐにおさまった。
雨はまだだが。
僕は、何も見えないながらも、微かに見える人影を避けながら、明かりが見える所へ向かう。
歩いている人の中で僕だけだろう。
傘を差していないのは。
雨が少し弱まり、視界が良くなった。
周りの風景が見えるぐらいにまでは回復。
まあ、依然強いことには変わりないんだけど。
そして、案の定、街中を歩いている人たちはみんな傘を差していた。
・・・当たり前だが。
台風が来るって分かってて、傘を持っていかない方が馬鹿だろう。
さっきまでいたショッピングモールが見えた。
一旦あの中に避難しよう・・・。
ずぶ濡れの体で入っていいのかはわからないが。
信号を待つ。
この横断歩道を渡ればすぐ先にある。
早く、信号変わらないかな・・・。
その時、向かい側で1人の女の子が立ち止まった。
信号が変わるのを待っているのだろう。
その女の子は、傘を差していなかった。
僕と同じで。
なんでなんだろう・・・?
傘を忘れた?
だったら、買えばいいのに。
傘なんてそこらへんで売っているのだから。
なんて。
僕に言えた義理か。
その女の子にも容赦なく雨は当たり続ける。
大丈夫かな?
ふとそんなことを思う。
自分も同じ状況なのに。
信号が変わった。
彼女はこっちに向かって歩いてくる。
下を向きながら。
何か悲しそうだ・・・。
彼女は濡れた髪を触りながら顔を上げた。
その顔を見て僕は・・・。
「なん・・・で?」
そう呟いた。
その呟きは、雨の音でかき消される。
ザァァァ!!
彼女が僕を見る。
「翔・・・?」
二つの意味で聞こえるはずのない声。
聞くことはないと思っていた声は、なぜか、小さな声にもかかわらず、雨にかき消されることなく僕の耳に届いた・・・。
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押してください~!!
励みになるので。
みなさん??浮かんでるかもしれませんが・・・。
申し訳ありません!!w
明日はここからまさかの最終話です。
どうまとめる気なのか・・・。
こいつだめだなぁと思いながら見てくださいww
いや~・・・ほんと今回・・・。
途中までは悪くなかったんだけど・・・。
兄妹とか・・・無理だ!!w
2人遠くなっちゃったし・・・あ~!!w
では、最終回見てください 汗