56話 俺が傍にいてやるよ | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

そこにいたのは、大介さんだった。


「あ・・・どうも。海を見てるだけですよ。大介さん」


「大介さん・・・ねぇ」


「なんか不満ですか?」


「別に。昔は敬語なんて使わない女の子だったのにな」


「・・・なんですかそれ?」


大介さんが言っている意味がわからない。


「昔・・・ここで会ったことあるんだよ。俺達・・・」


「え・・・」


ここで?


大介さんと?


「覚えてない?」


「あ・・・はい。全然」


「あはは。ショックだな」


「う・・・すいません」


「じゃあ、これで思い出すかな・・・。『誰か待ってたんじゃないの?』」


あ・・・。


思い出した。


昔・・・翔が家出してなかなか帰ってこなかった時のこと。


その時に、私はここにきて翔を待ったんだ。


早く帰ってこないかな・・・。


そう思いながら。


その時に一人の青年に会ったんだ。


優しそうな青年で、その人とたわいもない話をして・・・。


「あの時の人が・・・大介さんなんだ・・・」


少し複雑。


その人のこと・・・少しだけ好きになっていたから。


もしも、翔という存在がいなかったら少しじゃなくて・・・。


普通に。


恋をしていただろう。そんな相手だから。


「ご名答。そんで、この時間帯に君は帰るって言ったんだよね?」


空は黄土色に染まっていた。


時の流れは速いもんだ。


気付いたら、一日がもうすぐ終わりそうなのだから。


「世界って・・・狭いですね」


私は苦笑した。


「だな。紗希ちゃんは今何してたの?」


「待ってたの」


あの時の再現。


私はそれを繰り返すように、砂浜に体育座りをして、沈みかけている黄土色へと色を変えた太陽を見た。


「・・・誰を?」


大介君は私の隣に座ってそう聞いた。


「お兄ちゃんを・・・」


「そっか。お兄ちゃんは帰ってきそう?」


「ん~・・・多分帰ってこない。だから・・・」


私は立ち上がった。


「私帰るね・・・なんて」


私は舌を出して笑った。


「翔は・・・帰ってきそう?」


「どうだろう。きっと・・・帰ってこないよ」


「翔は何で転校したの?」


大介さんは砂を片手ですくい、少しずつ・・・。


落としていく。


「一身上の都合で・・・」


私は言葉を濁す。


「どんな?」


「それは・・・」


何て答えればいいのだろう。


いくら翔の親友でもこれだけは言ってはいけない。


「妹に恋をしたから・・・だろ?」


だけど・・・。


大介さんはあっさり。


私が言えなかった答えを口にした。


「なんで・・・それを?」


「麻衣も知ってるよ」


「・・・そうなんですか。どこで知ったんですか・・・?」


「どこだと思う?」


「・・・そんなの分かりませんよ」


「じゃあ、秘密ってことで」


大介さんは微笑した。


「てか、そんなことよりさ・・・」


そのまま大介さんは話を続ける。


「紗希ちゃんはそれでいいの?」


「・・・なにがですか?」


「翔に会えなくて」


「いいはずないですよ。でも・・・会えない」


「じゃあ、これからどうする予定?」


「新しい恋でも探します」


私はまっすぐ大介さんを見た。


「・・・本気?」


「どうでしょう・・・?」


「本気なら・・・」


大介さんは私のそばによって、頭を撫でた。


「俺が傍にいてやるよ・・・」


その言葉が嬉しい。


ドキッとする。


だけど、やっぱり・・・。


翔にはかなわないなぁ。


大介さんに失礼だと分かっていながらも・・・そんなことを思ってしまった。




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ん~・・・。


あんまり上がらないアクセス数・・・。


だめだなぁ・・・。


これは。


てか、昨日なんですが、皆さんのブログ見に行けてません。


すいません。


今日の夜辺ぐらいに見に行きますね。