55話 こんなにも | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side紗希~


翔がいなくなって一週間。


まだ転校が完了したわけじゃなく、籍はまだこっちの学校に残っている。


けど・・・。


もういない。


クラスの人たちは、ただ学校を休んでいるぐらいにしか思ってないらしい。


でも、もうすぐ疑問に思う人が増えてくるだろう。


休んで・・・一週間も経つんだから。


今、翔がもう遠くへ行ってしまったのを知ってる人は2人。


大介さんと麻衣さん。


翔の友達である二人しか知らない。


私の周りの人は知らない。


一週間かぁ・・・。


私は二つある自転車を複雑な思いで見る。


このうちの一つ・・・。


翔が乗っていた自転車はもう使われることはない。


翔の自転車の荷台を乗せるところ。


私たちが想いを通じ合わせてから何度も・・・。


私が後ろに乗ってたなぁ。


だけど、もう乗ることはないわけで。


翔はもう私のそばには現れないのかもしれない。


「翔・・・」


一度、家の中に入る。


その後私は、玄関から翔の自転車の鍵を手に取る。


「どこか行くの?」


お母さんの声がリビングから聞こえた。


「うん。ちょっとね」


「何時頃帰ってくる?」


「日が暮れるまでには帰るよ」


「わかったわ。気をつけて行ってらっしゃい」


「ん」


私は、家から出て翔がいつも乗っていた自転車にまたがった。


少し・・・サドルが高い。


足がつかない自転車に乗りながら、私は自転車のペダルを漕ぎ始める。


「この自転車・・・初めて前に乗ったなぁ・・・」


私は、空を見上げながらゆっくり自転車を漕ぐ。


翔も今・・・。


この空をどこかで見てるのかな・・・?


北海道のどこかで。


翔が行った正確な場所は知らない。


というより、覚えていない。


お母さんから北海道にいる従妹の家に預けたと聞いた。


私はその従妹に一回・・・。


それも小さい頃にしか行ったことないので、場所なんて覚えていない。


それに、梨乃ちゃんだっけ。


彼女の顔ももう覚えていない。


一つ年上のお姉さんてぐらいかな。


ザァァァ・・・。


波の音が聞こえる。


私は砂浜に自転車を止めて、海の方へと歩いていく。


また、ここに来た。


ここに来るときは嫌なことがあった時。


考えたいことがあった時。


一人になりたい時。


そういう時がほとんどだ。


それ以外にここへ来た時といえば・・・。


翔とキスをしたあのときだけ。


ファーストキス。


確かこの場所だったな・・・。


私は周りの景色を見渡しながらあの時いたであろう場所に立ってみる。


大きな波が遠くに見える。


その波が徐々に威力を弱めて・・・。


ザァァァァ・・・。


私の足元に届く。


足首まで水がつかる。


「はぁ・・・」


ため息をつきながら、ひたすら続いていく海を見る。


この海を渡れば・・・翔に会えるかな・・・?


なんて。


馬鹿みたいなことを考えながら


「翔・・・」


彼の笑顔を思い浮かべながら・・・。


一筋の涙が伝わった。


「会いたいなぁ・・・」


まだ一週間しかたってないのに・・・。


こんなにも君に会いたくて仕方ない。


今この瞬間に両想いと知ってから、私はどれほど自分が弱くなったのかを改めて思い知った。


その時


「何してるの?」


誰かが声をかけてきた。


私は、声がした方を振り向く。


そこにいたのは・・・。





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あ~・・・やばいですw


上がる方法を考えねば・・・