52話 両想いなのに・・・ | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

気付いたら朝になっていた。


手を繋いだまま眠っていたらしい。


それは、紗希も同じようで。


可愛らしい寝息が隣から聞こえる。


僕は、紗希を起こさないように手を離し立ち上がった。


さぁ・・・これからどうしようか。


このまま逃避行を続ける?


いや、それはだめだ。


2人で生きていくことなんてできないんだから。


じゃあ・・・。


家に帰る。


その選択肢しかない。


他の選択肢はない。


家に帰ったら、両親は何て言うだろうか?


・・・あまり想像したいもんじゃない。


少なくとも、今までと同じような生活を送ることはできなくなるだろう。


嫌・・・だなぁ。


なんて思う僕は子供だろうか?


僕はブランコに乗って、勢いよく足を前後させた。


何度かそれをやるうちに、揺れる幅は大きくなる。


昔は上までいきすぎると怖くなったものだが、今はそうでもない。


むしろ、このまま空を飛べるんじゃないかなんて思うぐらい。


まあ、思うだけ。


飛べるはずないんだけど。


人は飛べない。


重力に従って地面に落ちていくんだ。


人は叶わない願いを憧れのように持つ。


だけど、叶う、叶えようとは思わない。


それが普通。


空を飛びたい。


誰もが思うけど誰もが叶うなんて思ってない。


だけど、僕は。


叶うはずのない妹との恋愛を叶えようとした。


そして・・・叶ってしまった。


そのせいで、こんなにも苦しむわけで。


地面に足を滑らしてブランコの勢いを弱める。


そして、止める。


僕は紗希の方に戻って、優しく彼女の頭を撫でた。


「もう朝だよ」


そう言って。


「あ・・・おはよう。翔」


眠そうな顔。


この顔も好きだ。


紗希が見せるどんな表情も好き。


眼を擦って、小さな欠伸をする。


そんな紗希の頭をもう一度撫でる。


ゆっくり、何度も。


「・・・どうしたの?」


「何が?」


「ずっと頭撫でてるから・・・」


「これが・・・最後になるかもしれないから」


「え・・・?」


紗希の顔が凍りついた。


「それ、どういうことなの・・・?」


「・・・すぐにわかるよ。じゃあ、行こっか」


「どこに・・・行くの?」


「家に帰るんだよ」


「嫌っ!!」


紗希の大声。


叫び。


僕はそれを初めて聞いた。


紗希はその場に座り込んで、ここから動かないとでもいうような感じだった。


「なんでだよ?紗希・・・」


「帰ったら・・・私たち・・・もう触れ合ったりできなくなっちゃうかもしれないじゃん!!」


「そうだけど・・・それ以外にどうしようもない」


「私は・・・翔と・・・翔と・・・ずっと一緒にいたいっ!!」


紗希は涙を流す。


頬を伝って、地面に落ちる。


「僕だっていたいよ・・・」


「なら・・・!」


「紗希・・・僕らだけじゃ生きていけないんだよ?」


「でも・・・でも・・・」


「不公平・・・だよな。他のカップルは手を繋ぐこともキスをすることも許されてるのに。僕らだけは許されない」


「・・・うん」


「でも、何も変わらない。不公平だって嘆いたところで・・・さ」


「翔は・・・それでいいの!?私と離れちゃうかもしれないんだよ?」


「嫌だけど・・・そうするしかなんだよ」


僕は、自転車にまたがる。


紗希はその場から動こうとしない。


「紗希・・・お願いだから・・・」


「なんで、私たち・・・好き同士なのに・・・こうなっちゃうんだろうね」


「・・・」


僕はその問いになにも返すことがなできなかった。


紗希は「ごめん」


なぜか僕に一度謝って自転車の後ろに乗った。


そして、僕ら2人は、今までで一番憂鬱な家への帰り道を。


無言で、ゆっくりと・・・。


ペダルを漕いで進んでいく・・・。





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結局帰宅する2人。


エスケープには意味があったのか?


うん・・・あったはず!!


この先の2人の運命は・・・いかに!!


ストックが5に減少した!汗