~side大介~
明日でちょうど3年だ。
奏絵が死んでから。
今でもこんなに引きずってる。
妹のことを・・・。
明日は七夕。
人々が短冊に願いを書いた紙を巻いて、織姫と彦星に叶いますようにって願う日だ。
織姫と彦星にとったら、一年に一度の会える日。
大好きな相手に。
天の川。
その川に橋がかかって、2人はお互いに触れることができるんだ。
でも、僕はそんな一年に一度すら許されない。
一生会えることができない。
生きている限り。
死後の世界と、現世には橋はかからない。
だから、死んだ人と生きている人は出会うことを許されない。
そう考えると、織姫と彦星が羨ましい。
会えないって言っても、会える日は来るんだから。
その神話を聞いて、可哀想とか言う人もいる。
でも。
逢えるだけいいと思った方がいい。
可哀想って言ってる人もいつか思うかもしれない。
会えるのが羨ましいって。
大切な人が傍からいなくなったら、思うはずだ。
ただ、織姫と彦星も会えなくなる七夕もあるらしい。
それは雨が降った七夕。
その日は天の川が氾濫して、橋がかけられないんだと。
そんな七夕に雨が降る日のことを催涙雨っていうらしい。
なら、毎年雨が降ればいい。
そうすれば、僕と奏絵の気持ちがきっとわかるだろ?
だって織姫と彦星は、2人でいる生活が楽しくて、仕事をしなくなったらしいから。
自業自得だ。
会う必要なんてない。
俺は・・・。
ちゃんと生きてきた。
三年前も、ちゃんと・・・。
・・・卑屈。
そして、馬鹿。
神話に向かって何言ってんだか。
もう、戻ってはこないもの。
それをうだうだ言っても仕方ないのに。
・・・。
でも夢に出る。
奏絵が死んだあのシーンが。
何度も。何度も。
信号がない交差点。
俺は、左右をよく見ずに飛び出した。
俺が対向車線に行ったぐらいに、奏絵が僕を追うように小走りでついてくる。
その時、死角から右折してきた車が現れて・・・。
大きなブレーキ音。
運転手は懸命にブレーキを踏んだ。
このとき誰もが思っただろう。
『当たんないでくれ』って・・・。
その想いの大きさはきっとみんな違うだろうけど。
それでも、みんなが願ったはずだ。
それぞれの想いの中で。
だけど、無情にもその願いは打ち崩されるわけで。
ドン!!
奏絵は何メートルも吹っ飛んだ。
華奢で小さな体。
僕は呆然と、対向車線でそれを見ていた。
その対向車線には車は全く来ない。
そう。この道は車がほとんど通らない道。
人も・・・車もだ。
だから、お互いに気を抜いてたのかもしれない。
聞こえるはずのエンジン音。
あの時それは聞こえなかった。
いや・・・聞いてなかっただけだろう。
それを、僕がちゃんと聞いていれば・・・。
車が見えた時、ただただ祈るんじゃなくて。
願うんじゃなくて、紗希を突き飛ばし身代りになれたら。
その時間もあったはずなんだ。
なのに僕はそれをしなかった。
そのせいで、こうやって後悔が残る。
今でも思い出す。
奏絵・・・。
大好きな妹のこと。
思いが通じ合う前。
奏絵がどう思っていたのか。
七夕の夜に聞こうと思ってたんだ。
引かれても。
惹かれても。
翔・・・お前が羨ましい。
妹と通じ合えたお前が。
そして、俺の『小さな恋』の相手を手にしたお前が。
明日・・・。
俺はどんな思いで過ごそうか・・・。
窓からは綺麗な星空が見える。
きっと明日も晴れるだろう。
ベガとアルタイルは。
明日よく見えるだろうな。
そして、ミルキーウェイも・・・。
きっと複雑な思いで・・・。
それを見るだろう。
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え~・・・大介編です。
なんか、この人が一番悲しい気がします。。
この人は、もう終盤になりますがまだまだでてきます。
麻衣は・・・分かりませんが。
今、この後の展開をすごい悩んでいます。
兄妹はどんな結末を迎えるべきなのか。
現実とかかけはなれるようなことだけはしないように。
頑張ります。