44話 小さな恋と大きな恋と | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side大介~


キイィィ!!


甲高いブレーキ音。


たくさんの悲鳴。


そして、俺は・・・。


ただ、呆然と目の前に映った光景を眺めていた。


気付くと涙がこぼれていた。


そして、奏絵の方に近寄る。


奏絵・・・。


奏絵・・・。


そう彼女の名前を呼んで。


だけど、奏絵は反応しない。


救急車を呼ぶ。


俺の頭の中にはそんな考えはなかった。


ただ、ひたすら微動だにしない最愛の人が目を開けることを願い続けた。


と同時に、これが夢であってくれそう願っていた。


だけど、現実は残酷で。


何度夢を見て、朝になっても・・・奏絵は目を覚まさない。


病院のベッドで寝たままだった。


ある時、病院の先生が言った。


彼女は『脳死』になったと。


その頃の俺にはそれがどういう病気かわからなかった。


俺は親に聞いた。


それがどんな病気なのかと。


だけど、あの人たちはなにも答えない。


いや、答えられる状況になかったのだろう。


あの二人だって辛かったんだろう。


奏絵がそんな状態になって、助かることがないと言われたのだから。


結局二人は、自分の家の経済的な面。


助かる見込みがないということを考慮して。


考えて・・・考えて・・・。


延命をしないという選択を選んだ。


俺は、反論した。


なんで、生きている奏絵を殺すんだって。


何も知らない俺だったから。


父さんは「ごめんな」そう謝り続けた。


母さんは、ただただ泣いていた。


今なら分かる。


2人が出した結論が正しかったのが。


生かす。


その選択肢よりよっぽど正しかったことが。


俺の隣の部屋はあの頃から時が止まったままだ。


誰も踏み入れることをしない。


・・・そこは奏絵の部屋だから。


処分して忘れるということをしようとはしない。


それでいいと思う。


だって、処分して忘れたら、奏絵がいたという証がなくなる。


奏絵は今、僕らの心の中でしか生きることはできない。


だから忘れちゃいけない。


どんなに苦しくても覚えていなくちゃいけない。


だったら。


部屋を片付けるのが普通?


そうかもそれない。


ちゃんと死んだ奏絵と向き合うのは一番いいのかも。


母さんはそこに踏み入れるのが怖い。


忘れたくないと思う同時に・・・そういう思いがあるのかもしれない。


奏絵はまだ中学生だった。


これから、いろんな可能性に向かって歩き出す。


そんな歳だった。


バスケ部に所属していて、本番に弱いポイントゲッターだった。


俺といるときは、いつもそばに寄ってきて。


『お兄ちゃん!!』


笑顔だった。


屈託のない可愛らしい笑みを浮かべたいた。


今でも目を閉じれば・・・。


奏絵の声が聞こえてくるような気がするんだ。


・・・。


大切な妹。


大好きな妹。


きっと俺は、翔と同じように・・・。


妹のことが好きだった・・・。


恋愛対象として見てた。


でも、そんなこと言えなかった。


言えるはずがなかった。


俺は高校一年。まだ入りたてだった。


そんな俺でも、この禁忌は破ってはいけないもの。


それを理解していた。


だから言わなかったんだ。


俺は海であの二人を見た時に思った。


羨ましいって・・・。


兄妹なのに、自分の気持ちを素直に言えて。


俺が言うべき相手は、もうこの世にいない。


いなくなった・・・。


その後に出会う新しい恋。


これも、あっけなく消えてなくなりそうだ。


その妹が・・・。


思わず苦笑する。


何の因果がったんだろう。


あり得ないよな。


自分が好きになったその人も、兄を好きになっていたなんて。


しかも、そいつが自分の友人。


すごい偶然だ。


一つの大切な恋。


一つの小さな恋。


この二つは俺の前から消えていく。


拾い上げてすぐに落ちていく砂のように・・・。





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この作品も終盤になってきました。


ということで、ブログ紹介のまだやってなかった方はその時に・・・。


すいません。


クライマックスはまだですが、もうすぐ・・・。


かな?


少なくとも半分は越えたとは思いますww


100話いくことはないですww


では、学校行ってきます!!