~side大介~
キイィィ!!
甲高いブレーキ音。
たくさんの悲鳴。
そして、俺は・・・。
ただ、呆然と目の前に映った光景を眺めていた。
気付くと涙がこぼれていた。
そして、奏絵の方に近寄る。
奏絵・・・。
奏絵・・・。
そう彼女の名前を呼んで。
だけど、奏絵は反応しない。
救急車を呼ぶ。
俺の頭の中にはそんな考えはなかった。
ただ、ひたすら微動だにしない最愛の人が目を開けることを願い続けた。
と同時に、これが夢であってくれそう願っていた。
だけど、現実は残酷で。
何度夢を見て、朝になっても・・・奏絵は目を覚まさない。
病院のベッドで寝たままだった。
ある時、病院の先生が言った。
彼女は『脳死』になったと。
その頃の俺にはそれがどういう病気かわからなかった。
俺は親に聞いた。
それがどんな病気なのかと。
だけど、あの人たちはなにも答えない。
いや、答えられる状況になかったのだろう。
あの二人だって辛かったんだろう。
奏絵がそんな状態になって、助かることがないと言われたのだから。
結局二人は、自分の家の経済的な面。
助かる見込みがないということを考慮して。
考えて・・・考えて・・・。
延命をしないという選択を選んだ。
俺は、反論した。
なんで、生きている奏絵を殺すんだって。
何も知らない俺だったから。
父さんは「ごめんな」そう謝り続けた。
母さんは、ただただ泣いていた。
今なら分かる。
2人が出した結論が正しかったのが。
生かす。
その選択肢よりよっぽど正しかったことが。
俺の隣の部屋はあの頃から時が止まったままだ。
誰も踏み入れることをしない。
・・・そこは奏絵の部屋だから。
処分して忘れるということをしようとはしない。
それでいいと思う。
だって、処分して忘れたら、奏絵がいたという証がなくなる。
奏絵は今、僕らの心の中でしか生きることはできない。
だから忘れちゃいけない。
どんなに苦しくても覚えていなくちゃいけない。
だったら。
部屋を片付けるのが普通?
そうかもそれない。
ちゃんと死んだ奏絵と向き合うのは一番いいのかも。
母さんはそこに踏み入れるのが怖い。
忘れたくないと思う同時に・・・そういう思いがあるのかもしれない。
奏絵はまだ中学生だった。
これから、いろんな可能性に向かって歩き出す。
そんな歳だった。
バスケ部に所属していて、本番に弱いポイントゲッターだった。
俺といるときは、いつもそばに寄ってきて。
『お兄ちゃん!!』
笑顔だった。
屈託のない可愛らしい笑みを浮かべたいた。
今でも目を閉じれば・・・。
奏絵の声が聞こえてくるような気がするんだ。
・・・。
大切な妹。
大好きな妹。
きっと俺は、翔と同じように・・・。
妹のことが好きだった・・・。
恋愛対象として見てた。
でも、そんなこと言えなかった。
言えるはずがなかった。
俺は高校一年。まだ入りたてだった。
そんな俺でも、この禁忌は破ってはいけないもの。
それを理解していた。
だから言わなかったんだ。
俺は海であの二人を見た時に思った。
羨ましいって・・・。
兄妹なのに、自分の気持ちを素直に言えて。
俺が言うべき相手は、もうこの世にいない。
いなくなった・・・。
その後に出会う新しい恋。
これも、あっけなく消えてなくなりそうだ。
その妹が・・・。
思わず苦笑する。
何の因果がったんだろう。
あり得ないよな。
自分が好きになったその人も、兄を好きになっていたなんて。
しかも、そいつが自分の友人。
すごい偶然だ。
一つの大切な恋。
一つの小さな恋。
この二つは俺の前から消えていく。
拾い上げてすぐに落ちていく砂のように・・・。
↑ ↑ ↑
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励みになるので。
この作品も終盤になってきました。
ということで、ブログ紹介のまだやってなかった方はその時に・・・。
すいません。
クライマックスはまだですが、もうすぐ・・・。
かな?
少なくとも半分は越えたとは思いますww
100話いくことはないですww
では、学校行ってきます!!