~side麻衣~
昼間晴れていたおかげだろうか?
星空がくっきりと見える。
綺麗な星。
私はベランダからそれを見る。
半袖の私に冷たい風が当たる。
だけど、もう夏だ。
それほど寒くない。
梅雨の季節。
よくここまで今日は晴れたもんだ。
今日見てしまった紗希ちゃんと翔君のキスを思い出す。
・・・嫉妬しないといえば嘘になる。
「あ~・・・もう!!」
私は大声で叫んだ。
隣の家が窓を開けていたなら間違いなく聞こえただろう。
・・・というより、マンション全体にすら聞こえたかもしれない。
私が住んでいるマンションは10階建て。
で、私は5階に住んでいるわけだが。
叫んだあと、もう一度。
翔君の顔を思い浮かべることなく空を見上げた。
もうすぐだ。
もうすぐ7月になる。
七夕が近づく。
織姫と彦星が年に一度だけで会うことが許されていると言われている日。
それが7月7日。
私には特に変哲のない1日。
そう。
例えるならバレンタインデーにチョコレートを貰えない男の子ような。
そんな日だ。
悲しい?
・・・さぁどうだろうか?
誰かと過ごしたい?
別にそこまでするほどの日でもないだろう。
クリスマスでもないんだし。
カラカラカラ・・・。網戸が空いた。
「らしくないな。思い出に浸ってるのか?」
「何か用?お兄ちゃん」
「別に。なんか叫んでたから」
「聞いてたんだ?」
「聞こえたんだよ。父さんか母さんいたら絶対おこかれる声量だったな」
「うるさいよ・・・」
私は、お兄ちゃんの横を通って家の中に戻る。
「・・・なんかあったのか?」
私は、立ち止まる。
お兄ちゃんは鋭い。
翔君とは違って。
だけど、大介君とはまた違った鋭さ。
彼女のことになると鈍感になるから。お兄ちゃんは。
きっと、私だけ。
私にだけだろう。
客観的に、大切に。
この二つを兼ね備えている私だからだろう。
正常な兄だ。
「なんかあった。そう言ったら?」
「お前の力になってやるよ」
カッコつけの兄。
前に、大学に見に行った時もそうだったし。
だけど、私の前ではいたって真剣で真面目で妹思いになる。
「どんなことでも?」
「もちろん」
「じゃあ、お願い・・・一つ聞いてほしい」
「なんだ?」
「彼女さんと別れて」
「・・・は?」
「それで、私と付き合って」
「何言ってん・・・だよ」
うろたえる兄。
「私・・・お兄ちゃんのことが好きなったんだ・・・」
さぁ・・・どうでる?
「麻衣・・・。ごめん。俺たちは兄妹だ。そんな対象では見れない。確かに俺はお前が大切だ・・・だけど」
「彼女さんの方が大切?」
「違う。お前と・・・あいつは比べる対象にはならない。天秤にはかけられないんだ・・・」
うん。
普通そうだよね。
やっぱ、お兄ちゃんはさすがだよ。
翔君がおかしいだけ。
「お兄ちゃん・・・ごめん。冗談だよ」
「・・・は?」
「いつまでも、そんなお兄ちゃんでいてね」
私は笑顔でお兄ちゃんにそう言って、自分の部屋に戻っていく。
お兄ちゃんはなにがなんだかわからない。
そんな表情を浮かべていた。
・・・もしも。
翔君が私の兄のように。
普通の兄のように。
世界中に存在する妹がいる兄のように。
一般の・・・妹に恋をする兄じゃなかったら・・・。
私を好きって思ってくれたのかな・・・?
・・・なんてね。
カチカチカチ。
午前零時を回った。
今日は6月30日。
あと、七夕まで1週間・・・。
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励みになるので。
さぁ・・・めちゃくちゃアクセス数が下がったところで。
といっても、前に比べたらよくなってるんですけどね。
上に行けば、その分また上を狙ってしまう・・・。
なんて感じです。
今日のこの回は果たして必要なのかどうかって回です。
麻衣さん・・・。
悲しい人だなぁ。
今は翔と全く話せてないし・・・。
どうなるんでしょうか?