~side紗希~
その夜のことだった。
「顔・・・妙に赤くない?」
夕飯を食べている時、お母さんが私の方を見て言った。
「そう?そんなことないと思うけど・・・」
ご飯を口に運びながら答える。
「紗希、ちょっと髪上げてみ?」
心配そうに私を見る翔。
「大丈夫だって・・・」
「一応だよ」
翔は、私の前髪を上げて、コツン。
私の額に自分の額に重ねた。
・・・これは照れる。
一気に熱が上がった気がした。
「少し熱っぽくないか?」
翔が言う。
・・・それはきっと翔のせいだよ。
とは言わないようにする。
お母さんとお父さんもいるし。
「そうかなぁ・・・?」
「食べ終わったら熱計っておきなさいよ?」
「は~い・・・」
**********
ピピピピ・・・。
「何度だった?」
即座に翔が聞いてくる。
私は体温計を脇から取り出して表示を見る。
げっ・・・。
嘘だぁ・・・。
その数字に驚く。
「どした?」
「38度・・・」
「早く寝た方がいいぞ?」
「うん・・・」
私はソファから立ち上がり、お母さんがいる台所へ向かった。
「何度だったの?」
「38度だった・・・」
「じゃあ、今日は早く寝なさい。下がらなかったら明日は休んでいいから」
「うん・・・」
熱があっても気づかないって、わたしおかしいんじゃないか?
そんなことを思いながら階段を上っていく。
熱があると知ると、急に体が重くなる。
一段一段。
階段を上るのが辛い。
さっきまでは翔とセックスをしていたというのに。
・・・それが原因か?
裸でいたからか?
裸で抱き合っていた光景を思い出し、苦笑するとともに赤面した。
この二つは意外にも矛盾しない。
私は部屋のドアを開けて中に入っていく。
ベッドを視界にとらえた途端、そこにダイブ。
全身が鉛のように重い。
だめだこりゃ・・・。
私は仰向けのまま目を閉じた。
初めてかも。
仰向けのまま寝るのって・・・。
次第に思考が停止していき・・・。
眠りについた・・・。
*************
「何してるの?」
隣に座る私より少し上くらいの歳の少年が聞いてきた。
・・・少年じゃないか。
青年。
その顔は少しぼやけて完璧には見えない。
「待ってるの・・・」
私は答えた。
海を見ながら。
遥か先まで続く海を見ながら。
帰ってこない彼を待ってるんだ。
愛しのお兄ちゃんを・・・。
***************
額に冷たいものが乗って私は起きた。
「つめたい・・・」
目を覚ますと、翔が
「気分はいかが?お嬢様?」
「少し不機嫌」
「なんで?」
「冷たいもの乗せてきたから」
頬をふくらます。
「そっと乗せただろ?」
「そうだけど・・・冷たいし」
「そりゃあ、熱があるからな。我儘なお姫様だこと」
「それにさ・・・」
「ん?」
「お姫様は王子様のキスでおきるんだよ?」
なんて。
言った後に恥ずかしい。なんて思う。
すると翔はニヤッと笑って私にキスをした。
「お目覚めですか?お姫様?」
・・・なんかいつもの翔じゃないみたい。
だけど、いつもと違う翔もカッコよかった・・・。
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昨日のアクセス数・・・なんだありゃ。
やたら高かったです。
どういうこっちゃ。
二回目の1000越え!!
もう、誕生日の日以来来ることはないんだろうなって思ってたんですけどね。
明日は42話「wish」です。
お楽しみに♪