34話 2人 | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

「どう?ショック?」


「ショック・・・ではないけど」


複雑そうに紗希と翔君を見る大介君。


なんか、不思議な絵だ。


というより嫌な絵かも。


好きな人がキスしてるのを遠くから見てる2人。


・・・あはは。


「ねぇ・・・大介君」


「なんだ?」


「紗希ちゃんのこと諦めるの?」


「・・・は!?」


驚いた表情で私を見る。


「好きなんでしょ紗希ちゃんのこと?」


「・・・何で知ってんだ?翔から聞いたのか?」


「聞いてないよ」


「じゃあ、なんで?」


いつの間にか、翔君たちに向けられていた視線は私の方に移っていた。


それに気づいて私も視線を大介君の方に変える。


キスをして抱きあっている『カップル』から。


「わかるよ。そりゃ。大介君は自分の利益のためにしか動かないから」


「なんか、俺嫌な奴ってイメージ持たれてる?」


「別に。ただ、私のためだけに動いてくれるような男の子じゃないかなって」


「だから、俺が紗希ちゃんのこと好きだとでも?紗希ちゃんと翔を離すためにお前を利用した・・・・そう言いたいんだ?」


「ご名答。その通りだよ」


私は悲しい笑みを浮かべた。


「ふ~ん・・・」


「当たりでしょ?大介君?」


「どうだろうな」


言葉を濁らしながら、近くにあった石ころを蹴飛ばす大介君。


それが、肯定を意味している。


「紗希ちゃんをあきらめる予定は?」


「・・・ないよ」


「じゃあ、今からあの二人を止めに行けば?」


私は冗談交じりにそう言った。


「無理だろ。あそこまでしたら・・・もう止まんねぇよ・・・きっと」


2人を見る大介君の表情は切なそうで・・・。


いつも見る、得意げで余裕を持った彼からは想像がつかなかった。


「じゃあ、どうやって紗希ちゃんを奪う予定?」


「あの二人はずっとは続かないからその時に奪うさ」


「ずっと・・・続くかもよ?」


「冗談。あの二人は兄妹だぜ?」


大介君はありえない。とでも言いたげな表情を浮かべた。


「兄妹・・・でも」


あの二人が選ぶ結末は、きっと他の人と付き合うことなんかじゃない気がする。


翔君も紗希ちゃんも。


今は漠然と付き合ってる。


そして、お互いが離れたくないって思えば思うほど。


他の人と付き合うなんて選択肢はなくなっていく気がするんだ。


「兄妹で付き合うなんて・・・間違ってる」


「へぇ・・・それが大介君の本音?」


「いや・・・どうだろうな。ただ羨ましいだけなのかもしれねぇ」


「え?」


「あの二人が。自分の気持ちに素直になれたあの二人が」


「・・・?意味分かんないよ」


「分かんなくていいんだよ。これは俺の過去の話だから」


「大介君の過去かぁ。気になるな」


「・・・教えねぇよ」


「え~・・・つまんない。恋愛関係?」


「そう・・・かもな」


大介君は天を仰いだ。


その時のことを思い出すかのように。


「聞きたいなぁ。大介君の恋愛。たくさんの女の子を連れている大介君の」


「そこまで連れてないんだけどな」


「でも、気になるじゃん。女たらしの大介君の恋愛」


「気になんな」


「え~・・・」


私は頬をふくらます。


これは自然と。


狙ってやったものじゃない。


・・・狙ってやる女の子もいるらしいが、私はそんな器用じゃないし。


「じゃあ、一つだけ質問に答えてやるよ」


ため息をつきながら大介君は言った。


勝った。


私はそう思いながら、何を聞こうか考える。


「一つかぁ・・・」


「早くしろよ」


「じゃあ、今まで好きになった人数は?」


聞いた後に、違ったかな。


なんて思ったが・・・。


「2人」


そう即答した彼に驚く。


即答。


迷いがない答えであり、興味深い人数だ。


紗希ちゃんともう一人。


この質問でよかったかもしれない。


「紗希ちゃんと・・・誰?」


「二つ目の質問は受け付けてねぇよ」


大介君は視線を翔君と紗希ちゃんの方に戻した。


その頃2人は、手を握りながら愛を誓い合っていた。


固く・・・固く・・・。


重い愛の誓いを。




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明日は、大介の過去について少し触れます。


全部はまだ触れません。


明日のタイトルは『奏絵』です。


お楽しみに☆