32話 何でもできた昔 | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side大介~


言っちまったなぁ・・・。


ついに、自分の想いを翔に打ち明けてしまった。


言うつもりはなかった。


紗希ちゃんと翔が付き合うなら永遠に。


麻衣と翔が付き合うならその時まで。


でも、話の流れで言ってしまった。


結局、あの兄妹は付き合うことになったらしい。


血の繋がった兄弟で。


麻衣の誘惑は上手くいかず、逆に翔と紗希ちゃんの心を刺激しただけなのかもしれない。


2人がくっつく方へと。


紗希ちゃんにしてみたら、兄が奪われるかもしれないという恐怖。


翔にしてみたら、大好きな人がいるのに他の人とデートするという自己嫌悪。


何かへの後ろめたさ。


これが2人を接近させることになってしまったのかもしれない。


「失敗したなぁ・・・」


椅子にもたれかかり、うなだれる。


自分の非力さに?


多分そう。


自分はもっと賢いと思ってたから。


何事も自分の思い通りいくんだと。


今までもそうだった。


運動でも、勉強でも彼女でも。


望んだものは全部手に入れてきた。


だけど、これで二つ目か。


思い通りにいかなかったのは。


・・・まあ、あれは俺がどうにかできた問題じゃない。


だけど、いつも考えてしまう。


家を出る時間が少し遅かったら。


雨が降ることがなければ。


たられば。


それは、考えてももうどうにもならないこと。


もしも。


それと同じような意味合いを持つ。


過去は変えられない。


戻れない。


21世紀になったからといって猫型ロボットが現れるわけでもない。


現実は不条理で成立している。


それを受け入れて俺らは生きていくしかない・・・。


あれも・・・。


あの悲劇も。


不条理が生み出した産物なのかもしれない。


そんなことを言ってみるが。


もしかしたら俺自身の力で変えられたかもしれない。


俺の力で。


あの時の俺が臆病者でなければ。


救えたかもしれない・・・。


教室には俺一人。


他は誰もいない。


「なにやってんだよ・・・俺」


カバンを思いっきり黒板に向かって投げつけた。


バン!!


大きな音を立ててカバンが下に落ちていく。


俺はそれを拾い上げて、帰り支度を始める。


帰り支度といっても、勉強するであろう教科書をカバンに入れるだけだが。


・・・その教科書は荷物になるだけになることが多々ある。


勉強あんまり好きじゃないし。


駐輪場で自転車を見つけ、それに乗る。


校庭を通ると、野球部がキャッチボールをしていた。


懐かしい。


昔は俺も野球をやっていた。


4番でエース。


チームの要だった。


あの頃は・・・。


本当に楽しかった。


校舎を出て、僕はあるところに向かった。


こういう憂鬱な日。


毎回行くところがあった。


自転車を漕いで、その場所に向かう。


イヤホンをつけて、警察に見つからないことを祈りながら。


住宅街を抜けた先にその場所はある。


広大な海が。


坂道のガードレールから見る海の景色は最高だ。


すごく綺麗で、すさんだ心が浄化される気がするんだ。


前に、誰かにこのことを言ったら「ガラじゃない」とか言われたが。


そのガードレールのところに着いた時。


僕の特等席である場所には先客がいた・・・。


ガードレールに寄り掛かって、風に髪をなびかせ、物思いに吹けながら、海の方を見る。


一人の女の子。


いつも見る彼女。


だけど、今の彼女はいつもより数段美しく。


可憐に見えた。





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大介編ですね。


少しづつ・・・大介の過去が明らかになって行きます。


すべてがわかるのは・・・いつだろう?


けっこう先まで書いているので、今どこだっけ?とか読み返しながら・・・。


明日は、麻衣編です。


可憐な女の子・・・。