~side大介~
言っちまったなぁ・・・。
ついに、自分の想いを翔に打ち明けてしまった。
言うつもりはなかった。
紗希ちゃんと翔が付き合うなら永遠に。
麻衣と翔が付き合うならその時まで。
でも、話の流れで言ってしまった。
結局、あの兄妹は付き合うことになったらしい。
血の繋がった兄弟で。
麻衣の誘惑は上手くいかず、逆に翔と紗希ちゃんの心を刺激しただけなのかもしれない。
2人がくっつく方へと。
紗希ちゃんにしてみたら、兄が奪われるかもしれないという恐怖。
翔にしてみたら、大好きな人がいるのに他の人とデートするという自己嫌悪。
何かへの後ろめたさ。
これが2人を接近させることになってしまったのかもしれない。
「失敗したなぁ・・・」
椅子にもたれかかり、うなだれる。
自分の非力さに?
多分そう。
自分はもっと賢いと思ってたから。
何事も自分の思い通りいくんだと。
今までもそうだった。
運動でも、勉強でも彼女でも。
望んだものは全部手に入れてきた。
だけど、これで二つ目か。
思い通りにいかなかったのは。
・・・まあ、あれは俺がどうにかできた問題じゃない。
だけど、いつも考えてしまう。
家を出る時間が少し遅かったら。
雨が降ることがなければ。
たられば。
それは、考えてももうどうにもならないこと。
もしも。
それと同じような意味合いを持つ。
過去は変えられない。
戻れない。
21世紀になったからといって猫型ロボットが現れるわけでもない。
現実は不条理で成立している。
それを受け入れて俺らは生きていくしかない・・・。
あれも・・・。
あの悲劇も。
不条理が生み出した産物なのかもしれない。
そんなことを言ってみるが。
もしかしたら俺自身の力で変えられたかもしれない。
俺の力で。
あの時の俺が臆病者でなければ。
救えたかもしれない・・・。
教室には俺一人。
他は誰もいない。
「なにやってんだよ・・・俺」
カバンを思いっきり黒板に向かって投げつけた。
バン!!
大きな音を立ててカバンが下に落ちていく。
俺はそれを拾い上げて、帰り支度を始める。
帰り支度といっても、勉強するであろう教科書をカバンに入れるだけだが。
・・・その教科書は荷物になるだけになることが多々ある。
勉強あんまり好きじゃないし。
駐輪場で自転車を見つけ、それに乗る。
校庭を通ると、野球部がキャッチボールをしていた。
懐かしい。
昔は俺も野球をやっていた。
4番でエース。
チームの要だった。
あの頃は・・・。
本当に楽しかった。
校舎を出て、僕はあるところに向かった。
こういう憂鬱な日。
毎回行くところがあった。
自転車を漕いで、その場所に向かう。
イヤホンをつけて、警察に見つからないことを祈りながら。
住宅街を抜けた先にその場所はある。
広大な海が。
坂道のガードレールから見る海の景色は最高だ。
すごく綺麗で、すさんだ心が浄化される気がするんだ。
前に、誰かにこのことを言ったら「ガラじゃない」とか言われたが。
そのガードレールのところに着いた時。
僕の特等席である場所には先客がいた・・・。
ガードレールに寄り掛かって、風に髪をなびかせ、物思いに吹けながら、海の方を見る。
一人の女の子。
いつも見る彼女。
だけど、今の彼女はいつもより数段美しく。
可憐に見えた。
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押してください!!!ww
作者が喜ぶので!w
大介編ですね。
少しづつ・・・大介の過去が明らかになって行きます。
すべてがわかるのは・・・いつだろう?
けっこう先まで書いているので、今どこだっけ?とか読み返しながら・・・。
明日は、麻衣編です。
可憐な女の子・・・。