~side紗希~
キスという行為は私にとってはとても重いもの。
外国の人たちが気軽にするあんなもんじゃない。
重く重く・・・。
大事なものだ。
キスは恋人の証。
友達という線を飛び越えて恋人になる第一のステップだ。
手を握るのは友達でも可能だけどキスはできない。
私は、そんな重みのあるキスを翔にねだった。
「キスしたい」
そう言って。
翔は「いいよ」そう言って私にキスをしてくれた。
短く、優しいキスを。
これが私のファーストキス。
大切な大切な・・・。
ファーストキスだ。
今この瞬間の出来事を私は絶対に忘れることはないだろう。
人間だれしも、初めて経験する出来事は記憶に残りやすい。
それが、さらにいいことであればあるほどだ。
私にとってこのキスは今まで経験したいいことの中で一番だろう。
ファーストキス。
甘い響き。
だれしもが通る最初の恋のスタート地点。
私はその第一歩を越えた。
その相手は、兄。
大好きな、兄だ。
「ありがと、翔」
私は頬を赤く染めながら・・・。
これはそうなっているであろうという想像だが。
翔の手を握った。
「う・・・ん・・・」
「翔は今・・・私のファーストキスを奪ったんだよ」
「え!?」
翔は驚いた顔を浮かべる。
「この歳でファーストキスっておかしいかな?」
「そうじゃないけど・・・僕でよかったの・・・?」
「私は、翔がよかったんだよ」
恥じらいながら・・・。
少し躊躇いながら。
私は翔の体をギュッてする。
自転車でする時とは全然違う。
おふざけはなしの・・・
大好きな相手へのハグだ。
翔は、私の頭の撫でる。
髪と髪の間に指が通る。
優しく撫でてくれる翔。
これは、私の大好きなやつだ。
寝っ転がっている時とか、リラックスしている時にされるとドキッとくる。
自然にニヤけてしまう。
それが、兄が妹に対する行為だと分かってても嬉しかった。
けど、今は。
きっと恋人としてやってくれている。
夢みたいだ・・・。
本気でそんなことを思う。
「紗希・・・。僕、もう紗希を離せなくなるかもしれない」
「それで・・・いいよ。ずっと一緒に・・・私もいたいから」
私たちはどんどん進んではいけない道へと進んでいく。
その先に暗闇しかないとしても。
自分たちで光を導き出せると本気で思っていたから。
少なくとも私は。
だけど、後々思い知ることになる。
光なんてものは所詮は幻想。
そんなものはなかったのだということを。
それでも今は、
「大好きだよ」
「私も・・・」
お互いの愛を確認し合って、何度もキスを重ねたんだ。
現実の世界を忘れるように。
2人だけの世界を創り出して。
だから・・・。
波の音も聞こえない。
無音の中、何度もキスをして。
触れ合って。
抱きしめ合ったんだ・・・。
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押してくれると嬉しいです!!
2人はどこまで進んでしまうんでしょうか?
・・・結末どうしよ。
明日は大介編です。