29話 住宅街を抜けた先は | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

6限が終わって下校の時間になる。


みんなカバンの中に教科書を入れて次々に教室から出ていく。


麻衣と目があった。


麻衣はなにも言わず、僕の横を通り過ぎていく。


あの後、麻衣と話すことは1度もなかった。


いつも明るい麻衣。


だけど、今日はすごい静か。


友達からも心配されていた。


・・・ごめん。


僕は麻衣の背中に謝り教室を後にした。


ごめん。


その言葉以外は浮かばなかった。


友達から恋人になったら。


もう元には戻れない。


だから恋人になるのには勇気がいる。


告白するのは勇気がいる。


だって、今までの関係すべてを壊してしまうことになるのだから。


僕も・・・。


壊す気持ちで紗希に告白したし・・・ね。


廊下を歩いていると、携帯のバイブ音が鳴った。


紗希から電話がかかってきたみたいだった。


『もしもし?』


『あ、翔?今どこー?学校終わったよね?』


『終わったよ。なんで、電話・・・?』


『帰り、自転車後ろ乗せてほしいなぁと』


『もともと乗せる予定だったよ。歩きで帰れる距離じゃないだろ?』


『さすがお兄ちゃんだね』


ドクン・・・。


お兄ちゃん。


その呼び名にいちいち反応する。


その呼び方が好きだから。


そういう訳じゃなくて。


昔。


何度も大好きだと言ってくれた紗希はその頃、僕のことをお兄ちゃんと呼んでいたから。


『よくわからん。とりあえず、僕近くのコンビニにいるから』


『わかった。じゃあまた後でね』


明るい紗希の声。


『うん。バイバイ』


『バイバイ』


僕は電話を切って、駐輪場に向かう。


駐輪場で自転車を探し、見つけて鍵を差しこみ自転車に乗った。


風を浴びながらコンビニまで向かう。


そよ風が気持ちいい。


なんて、そんなことは思わないけど。


コンビニに着くと、そこには早くも紗希が到着していた。


「早いね」


「そう?翔が遅いだけです」


舌を出して笑う紗希。


「じゃあ、帰りますか?」


「うん。帰ります」


紗希は荷台に乗って、僕の肩に手を乗せた。


小さな手の重みが僕の体に伝わってくる。


嬉しい。


と同時に・・・。


うん。何ともいえぬこの気持ち。


言葉では表すことができない・・・。


信号に引っ掛かって僕はブレーキをかけて自転車を止めた。


「この後どこ行くの?」


「どこって・・・。家に向かってるんだけど?」


「・・・ぶー」


不満そうな声が聞こえて、僕は紗希の方を振り返る。


紗希は頬をふくらましていた。


「なんだよ?」


「恋人だったら寄り道するもんじゃない?」


「まあ、確かに。じゃあ、どこ行く?」


「運転手にお任せします」


信号が青になる。


と同時に僕はペダルを漕ぎ始める。


「なんだそれ」


とりあえず僕は道なりに自転車を進めていく。


坂を上って、下って。


狭い道を通って、大通りを通って。


高速道路・・・はさすがに通らないが。


「こっち、右行かない?」


「右?いいけど・・・」


初めていく道だった。


いつもは左に行くT字路。


ここを右に行くと知らない道だ。


住宅地が並ぶ道。


このままだと行き止まりじゃないのか?


なんて事を思ったりする。


だけど違った。


住宅街を抜けて、その先に広がっていたのは・・・。


広大な海だった。




にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(純愛)へ
にほんブログ村

↑ ↑ ↑

押してくれると嬉しいです!!



一昨日のアクセス数が異常だったんですけど、昨日もかなり高かったです。


おかげで、まだ65位。


今までにないような順位をキープしています。


もうすぐ落ちていくと思いますけどww


で、なんでこんな上がったのかを考えたんですけど、


誕生日だから!とかじゃなくて。


・・・あれですw


あえて言いませんww


ある方のおかげだなぁと。


あとで、お礼をしなければ!ww


では、明日は海のシーンです。


頑張ります!w