26話 諦めないから | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

学校に着いて、私たちは一時お別れとなる。


学校で、今日やらなくてはいけないことが一つあった。


教室に入る。


「おはよ」


由衣が笑顔で私に手を振った。


「おはよ」


私を手を振りながら近くに行き、由衣の隣に座った。


「今日の一時間目なんだっけ?」


「音楽。移動教室だよ」


「ありがと」


「月曜の最初から音楽は憂鬱だよね~」


由衣はため息をつきながら教科書を机にしまう。


「だね」


私は相槌を打ちながら違うことを考えていた。


言うなら・・・二人きりになるなら・・・。


ここしかないな。


私がしなければいけないこと。


それをやらなくちゃ・・・。


HRが終わって一時間目が始まろうとしている。


みんなが音楽室へ移動する。


廊下へ出ると、篠崎君の後ろ姿が見えた。


・・・一人だ。


よし。


私は小走りで彼の方へ行き、袖を掴んだ。


篠崎君は怪訝な顔で後ろを振り返り、私だと分かると、表情を崩して笑顔を見せた。


「話が・・・あるの」


控えめな声で私は言った。


これで・・・分かる人は分かる。


OKなのか振られるのか。


「わかった・・・今?」


「今・・・じゃだめ?」


「・・・大丈夫。じゃあ、音楽サボろっか」


篠崎君は教室に戻り、机の上に教科書を置いた。


教室には私たち二人だけ。


キーンコーンカーンコーン。


始業のチャイムが鳴った。


もう、みんな音楽室にいるだろう。


「で・・・話って?告白の返事かな?」


「うん・・・そうだよ」


「待ってたよ」


苦笑しながら誰かの机の上に座る篠崎君。


「遅れてごめんね?」


「ああ・・・いいよ。それで答えは?」


ドクン・・・ドクン・・・。


これは答えを待つ篠崎君の心臓の音ではなくて、私の心臓の音だ。


「ごめん・・・篠崎君とは付き合えない」


「そっか。好きな人とかいるの?」


「え・・・」


「言えない?」


「え・・・と・・・」


何て言えばいいかわからない。


嘘は苦手だ。


しかもこんな突然だと特に。


「いい子だね。やっぱ」


すべてを知っている。そんな感じだった。


「どういう意味・・・?」


「付き合ってる人・・・いるんだよね?だけど、その人の名前は言えない。だから戸惑っていた。その人とは付き合ってちゃいけないから。それに、嘘は嫌いだから」


この人は・・・何を知ってる・・・?


「付き合ってるんだよね?お兄さんと」


「なんで・・・そのことを・・・」


「あ、やっぱり」


「やっぱり・・・?」


いよいよわけわからない。


「確信なかったから。ただ、今ので確信したよ」


「確信って・・・。気付いたのはいつ?」


「今日の朝。お兄さんと2人乗りしてたでしょ?」


「なんで知ってるの?」


2人乗りは学校が近くなってきたところでやめた。


さすがに学校のみんなに見られるのは嫌だったから。


変なうわさを立てれるかもしれないし。


一緒に登校。


それだけ。


それなら自然。


そう思ったから。


「電車・・・あの電車に僕・・・乗ってたんだよね。そんでやることなかったから外見てた。そしたら、見たことある人が二人乗りしてたから。動体視力がいいんで誰だかすぐに分かったよ。まあ、好きだからってのもあったけど。」


「・・・」


「2人乗り・・・兄妹でってあんまりないじゃん?少しはいるかもしれないけど。好きな人いるのが言動で分かったし。だからもしかしてと思ってカマかけてみた。そしたら、案の定引っ掛かってくれたけど」


「引いた?」


私は聞いた。


私の秘密を知ってしまった人に。


「別に。誰が誰を好きになろうとそのの人の勝手だと思うよ。ただ・・・」


「ただ・・・?」


「結婚はできないけどね」


「う・・・ん・・・」


「まあ、俺からして見ると有難いよ」


「え・・・?」


「兄が相手なら・・・付け入る隙があるからね」


「それは間違いじゃない?」


私は即答する。


「なんでだよ?」


「お兄ちゃんだから・・・付け入る隙がないんだよ」


力強い言葉。


決意がこもった言葉。


「そっ・・・か。それでも・・・俺はまだ諦めないから」


篠崎君は、机から降りて私のほうへ近寄ってきた。


そして、私の頭の上にポンと手を置いて


「いいよ・・・な?」


私の返事を聞かないうちに、篠崎君は教室から出ていった。


・・・諦めない・・・か。


篠崎君に知られてしまった私と兄の関係。


・・・。


翔は誰かに知られているんだろうか?


広まれば広まるほど・・・。


2人が引き剥がされていく気がする・・・。




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この回が一番書いてて納得いかない回でした。


篠崎君がなんかなぁ・・・。


てか、色々あり得ない気がしてww


明日は翔編です。