~side紗希~
気がついたら、さっきまでは降っていなかった雨が急激に降り始めていた。
テレビを見ていた30分の間に。
いつもは録画して他の日に見る深夜アニメをリアルタイムで見終わって、暇になった私はテレビを消して、ソファにもたれかかった。
「翔・・・まだかぁ・・・?」
そう呟きながら。
時刻は1時を回っている。
お母さんもお父さんも、もう寝た。
普段、こんなに遅くなることなんてないのに。
初デート。
嫌な想像しかできない。
この時間まで帰ってこないってことはあれをしている・・・。
それが自然だ。
だけど・・・。
翔が麻衣さんとセックスをしているところを想像すると嫌な気分になる。
嫉妬?
・・・そうかもしれない。
それも一番たちの悪い嫉妬。
兄と妹にある、『お兄ちゃんを取らないで』
みたいな頼れる優しい兄を奪われた嫉妬、遊び相手を奪われた嫉妬とかじゃなくて・・・。
好きな人という観点でも嫉妬・・・。
兄にこんな感情を抱いている自分はきっと他の人から見たらい異常なのかもしれないけど。
もし・・・。
朝帰りなんてしてきたらどうしよう。
私自身が壊れてしまいそうだ。
ただでさえ、麻衣さんが彼女だと知った時すごくつらかったのに。
カチ・・・カチ・・・カチ・・・。
一定のリズムで時が刻まれていく。
翔・・・。
早く帰ってこないかなぁ・・・。
翔が帰ってきたら、今日なにをしたのかを聞く。
キスまでだったら許そう。
少しは安心する。
・・・安心したいんだ。
まだ麻衣さんとやっていない・・・そう答えてほしい・・・。
****************
何か温かいものが上に乗って私は目を覚ました。
ぼやけたピントを元に戻し人影が誰だかを確認する。
そこには翔がいた。
翔の体は雨のせいでずぶぬれで。
私に風邪ひくよ?
とか言っていたが全く説得力のない姿だった。
ただ、そのいつも通り妹への優しい心遣いは嬉しかったけど。
お風呂入れば?と聞いたが翔はめんどくさいと言って自分の部屋に戻っていった。
服を着替えて戻ってきた翔。
その顔はなぜか複雑そうな顔で。
「なにかあったの?」
そう聞いた。
「なにもないよ・・・」
翔は私の隣に座ってそう言った。
体が触れそうな距離。
昔だったら普通だけど、今だったら珍しく近い距離だった。
ドクン・・・。
「それより、なんでここで寝てたの?」
「翔を待ってたから」
「え・・・?」
「今日さ・・・なにしてたの?」
嫉妬している私の言葉には少しとげがある。
「何って・・・デートだよ」
言いにくそうに翔は答える。
「デートだけでこんなに時間ってかかるのかな?」
遠まわし・・・というより確信に近い言葉で私は言った。
遠まわしに言っても鈍感な翔だと永遠に答えに辿り着かないから。
「紗希は・・・何が聞きたいんだ?」
「言わなくても分かるよね?」
すると、翔はその言葉の意図を察して
「・・・してないから」
その言葉を聞いてほっとした。
安心した。
だけど、それを顔に出さないようにする。
「じゃあ、なんでこんな遅くなったの?」
「・・・それは」
翔は口ごもる。
・・・。
何をしていたのだろうか?
私には言えないようなこと?
セックスはしてないんだよね?
それ以上のことってこと・・・?
てか、そんなのないだろ・・・。
「言いづらいんだったらいいや・・・。今日楽しかった?」
とりあえず質問攻め。
友達の恋愛事情を知りたい・・・。
そんな感じの聞き方で。
「普通・・・かな・・・」
曖昧な言葉。
「翔・・・さ・・・何を隠してるの?」
なんとなくわかる。
私にすごく後ろめたいことがあるってこと。
言えないことがあるってこと。
兄妹だから・・・。
ずっと見てきたから・・・。
わかるんだ・・・。
すると翔は腹をくくったかのように・・・。
「僕・・・さ。今日のデートで改めて思ったことがあったんだ」
翔は前にあるテーブルから視線を私の目にあわせた。
2人の視線が重なる。
さっきまで見せていた表情とは違う。
優しい笑みを浮かべた。
何か・・・覚悟を決めたような・・・。
翔はなにを言おうとしているのだろうか・・・?
「何を思ったの?」
「僕の好きな人は麻衣じゃなくて・・・」
え・・・?
麻衣さんじゃない?
じゃあ・・・誰・・・
「紗希だ・・・」
静かに・・・でも力強く。
翔はそう口にした・・・。
急な告白。
頼っていた・・・。
優しかった・・・。
大好きだった兄からの・・・。
耳に入ったその言葉を頭はまだ理解しきれずにいた。
↑ ↑ ↑
押してくれると嬉しいです!!
だめだこりゃww
すごく納得がいかないんですが、もういいや!!
みたいな感じです。
告白のシーン・・・。
もう少しうまく書きたかったなぁ・・・。