13話 夕食の時間で | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side紗希~


翔に彼女がいると発覚して、篠崎君から告白されたその日の夜のこと。


今日は長い一日だった。


そう感じる。


実際にはいつもと変わらないスピードで時が流れてはいるのだけど。


夕食の時間。


いつも通りお母さんとお父さんと私と翔。


家族そろって夕食を食べる。


誰かが欠ける日ももちろんある。


お父さんが残業だったり、私や翔が友達と夕食を食べたり。


高校生なんだし。


でも、何もない日はお父さんが帰ってくるのを待つ。


9時までに帰ってくる場合は。


帰ってこない場合は・・・。


先に食べる。


お父さんには申し訳ないが。


食べている時の会話は少ない。


それは、口にものを入れながら食べるなという理由かららしい。


だったら、なんで会話がないのに四人そろって夕飯を食べなくてはならないのか。


そんな疑問を抱く。


お父さんは、黙々とご飯を口に運んでいる。


お母さんはテレビを見ながらご飯を食べる。


翔は・・・。


私はちらっと横目で隣に座っている翔の顔を見た。


横顔・・・かっこいい。


・・・じゃなくて。


複雑・・・というより沈んだ表情を浮かべていた。


なにかあったのだろうか?


そう翔の心配を心の中でしつつも、私の方が悲しい気分だよ。


そんなことを思う。


「どうした?」


私の視線に気づいて翔は声をかけてくる。


「ん?なんか表情が暗いなぁと思ってさ」


「そう見えた?」


「見えた」


「僕はいつも通りだよ」


そう言って浮かべた笑顔は・・・ひきつった笑顔。


間違いなく何かある。


何かを悩んでいるのかもしれない。


嫌なことがあったのかもしれない。


それは妹には言えないこと?


心配させたくないって思ってる?


もしかして、彼女には言えるの?


私はやっぱり・・・彼女以下の存在なの?


沢山の疑問が心の中で蠢く。


だけど、一つも私は口には出さない。


出してしまえば・・・。


また私たちの間に会話がなくなるかもしれないから。


「そういえば、翔」


お母さんがふいに、翔に話しかけた。


「今年受験だけど勉強は大丈夫?」


「大丈夫だよ。このままいけば推薦貰えるから」


「そう。さすがね。恋人とかはできた?」


「はっ!?」


翔は味噌汁を口から出しそうになる。


「もう高3なのに彼女の一つもいないってどうなのかなと思ってね」


「・・・いない前提で話してんの?」


「そういう訳じゃないけど・・・あんた奥手そうじゃん」


お母さんはからかいながら言う。


「ご心配なく。一応いるんで」


「へぇ・・・」


あ母さんは意外そうな顔で翔を見た。


「失礼だぞ。母さん・・・」


「あ、ごめんごめん。紗希は?」


「え?」


こっちに話を振ってきた。


翔も箸を止めて私の方を見る。


「私は・・・いないかな」


篠崎君の顔が思い浮かんだが、まだ告白の返事を出したわけじゃない。


それに・・・。


「そうなんだ」


お母さんと翔の声が重なる。


だけど、違うニュアンスがこめられていた。


お母さんは「やっぱり」みたいな感じで。


翔は・・・なんて言葉で言えばいいのかわからない。


だって、その感情が翔にあるはずがないのだから。


『ホッとした』


その言葉が一番当てはまるのだから・・・。


その意味について考える間もなくお母さんが言葉を続ける。


「好きな人は?」


その言葉に私は凍りついた。


好きな人・・・。


好きな人・・・。


私は翔を見ないようにして言った。


「いないよ」


それはまるで、自己暗示をかけるかのように・・・。





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今日は時間ないのでここでの呟きはなしです 汗