7話 笑顔が作れない | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

昼休み。


ガールズトークを楽しむことができるこの時間は他のことを何も考えなくてすむ。


「ねぇ、占いって信じる?」


由衣が聞いてきた。


「あんまり信じないかな」


私はウインナーをつまみあげながら答えた。


「なんで?」


「科学的に証明できないから」


「・・・夢のない女の子だね」


「そんなことはないよ。人間はってだけだよ?」


「どういう意味?」


「超常現象とかは信じる。ただ、人間がやることには科学的根拠は絶対にあると思う」


「何でそう思うの?」


「何でだろうね。前に心理学の本に載ってたからかな」


「その本が絶対に正しいっていい切れる?」


「由衣・・・そんなムキにならなくても・・・」


私は苦笑しながら水を飲む。


今日はあえて水。


好きな飲み物が売ってなかったから。


「じゃあ、みんなで図書室に行ってみようよ!!もしかしたらそういう本あるかもしれないし」


「私はパス」


「私も~」


香織と夏実はあまり乗り気ではないらしい。


「え~・・・紗希は来てくれるよね?」


「・・・強制なの?」


「もちろん」


「わかった・・・」


私は断れず、「頑張れ~」と苦笑いを浮かべながら私を見送る夏実と香織を恨めしそうに見ながら由衣の後ろをついていった。


あまり昼休みに図書室にこようというモノ好きは少なく、ほとんど貸し切り状態だった。


というより、勤勉な人がいないだけか。


「じゃあ、私あっち探してくるから!!」


由衣はそう言って奥の方へ進んでいく。


「なんでそんなやる気なんだか・・・」


私はため息をつきながら、入り口周辺の本を物色する。


『一分間の冒険』


『鏡の中の世界』


『夢と現実の狭間で』


へぇ・・・。


意外に興味を惹かれる題名だった。


私は『鏡の中の世界』を手にとり、中身を読もうとした時・・・。


2人の男女が図書室に入ってきた。


「あ・・・」


「あ・・・」


私とその男の人の声が被る。


その男の人は翔で・・・。


もう一人の女の人は確か・・・。


「翔君・・・。この子は?」


翔の制服の袖をひっぱりながら聞く女。


「ああ・・・妹だよ」


「そうなんだぁ!初めまして、私麻衣っていいます」


図書室には不釣り合いな声の大きさ。


私は呆気にとられる。


「あ、はじめまして・・・」


「うん。これからよろしくね」


笑顔で言う麻衣さん。


これから・・・ってどういう意味なんだ?


翔の方を見るが、何も言おうとしない。


すべて、流れに身を任せているよう・・・。


「麻衣さんは、翔の友達なんですか?」


私がそう聞くと、麻衣さんは・・・


「私は翔の彼女だよ」


笑顔でそう言った。


屈託のない天使のような微笑み。


だけど、それが、今の私には天使には見えず、悪魔に見えた。


「そう・・・なんですか・・・」


辛い。


けど、普通に考えてこれはあって当たり前のこと。


むしろ、今まで無かった方が珍しかったぐらいだ。


兄に彼女ができる。


私はそれを祝わなくちゃいけない。


だけど・・・。


「さすが、翔だね。こんな可愛い彼女さん作れて」


平常心で言うのが精いっぱい。


笑顔を・・・作れない。


「ああ・・・」


翔の声もなぜか暗い。


だけど、それすら今の私には気づかなかった。


頭の中は悲しみでいっぱい。


「じゃあ・・・私教室戻るね・・・」


「紗希ちゃん?」


心配そうに声をかけてくれる麻衣さん。


だけど、今の私の頭の中は・・・。


私の顔が崩れる前に早くこの場から抜け出したい、それしかない。


小走りで、図書室から出る。


階段のところまで来て、誰もいないのを確認した私は、その場に崩れ落ちて・・・。


声を出さずに泣いた・・・。




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う~ん・・・。


皆さんの予想通りといったところでしょうか。


もう少し、予想外の展開を作れるようにならないとなぁ・・・。