5話 また、一緒に・・・ | love storys  ~17歳、私と君と。~

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どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

~side紗希~


翔が私を無視し続けて3日が経った。


この3日間は拷問。


好きな人が傍にいるのに一切話ができない。


これほど苦痛になることはなかった。


なんで、翔は私を無視するんだろう?


家での会話も最低限。


そして、素っ気ない。


お母さんからも言われた。


「あなたたち何かあったの?」って。


翔はなにもないよと答え、私は黙り込む。


何もない?


だったら話しかけてよ。


そう言いたけど、翔の後ろ姿が遠く感じて話しかけられない。


もしかしたら・・・ずっとこのままなのかな?


そんなことを思ってしまう。


もしも、私が怒らせてしまったとか明確な理由があるなら、話は簡単だ。


私が謝ればいい。


それで済む。


少し経てば前と同じように話したりすることができる。


でも・・・。


理由が分からない。


下手に謝るわけにもいかない。


私はどうすればいい・・・?


どうすれば、三日前と同じような二人に戻れる?


考えても考えても浮かばない答え。


三日間、ずっと同じようなことを考えているはずなんだけど。


自分の部屋に戻って、私はベッドにダイブした。


胸のあたりに衝撃が走る。


けど、そんな外側からの胸の痛みなんてものは大したことはない。


内側からの方がよっぽど痛い。


翔がいる隣の部屋からはなにも聞こえない。


もう・・・寝たのだろうか?


それとも、ただ聞こえないだけか。


カチ・・・カチ・・・カチ・・・。


時計の音だけが部屋を覆う。


この一秒一秒が、どんどん私たちの距離を開けていくようで・・・。


『怖い』


不意にその単語が私の頭の中を駆け巡った。


いつかは離れていくものだけど、今はまだ早い。


離れたくない。


そしてできれば、ずっと一緒にいたい・・・。


無理な願い。


こうやって、翔が私から離れれば離れるほどこの想いが強くなっていく。


「やばいなぁ・・・」


重すぎる自分に嫌気がさして、私は窓を開けた。


風が当たって気分転換にはちょうど良いものになる。


窓から見える星空。


それはすごく綺麗な結晶のようなもの。


今日は天気が良かったので、星空は眩しすぎるくらい鮮明に目に映る。


その中心にあるのは一番綺麗な星。


そう、月だ。


月は闇夜に照らす星々の中で、一番輝いている星。


その星は私たちに様々な形をみせてくれる。


満月や三日月、そして新月。


満月の夜は男の子はおおかみになる。


そんなこと誰かが言ってたっけ。


私は、視点を月からちりばめられた星々に移した。


こうやって見ていると、昔のことを思い出す。


小学校の頃、お母さんと喧嘩をしてどこへ行くあてもなく私は家を飛び出した。


それも夜にだ。


真っ暗で心細くなった私は、道路沿いで泣きだす。


泣きながら、まっすぐに歩いていくけれど、足もだんだん言うことを聞かなくなって、その場に座り込む。


そこで、30分くらいかな?


ずっと泣いていた。


そして、涙も枯れて、どうすればいいかわからなくなった時だ。


後ろから声が聞こえた。


「紗希、紗希!!」って。


振り向くとそこには、汗だくのお兄ちゃんがいたんだ。


私は抱きついて「寂しかったよ」そう言った。


お兄ちゃんと2人で帰る時、手を繋いで帰ったのを覚えている。


その時のお兄ちゃんの手はすごく温かかった。


「紗希」


お兄ちゃんの声変りがしてない声が私を呼ぶ。


「何?」


「空を見上げてごらん」


「わぁ・・・!」


その日の星空はとても綺麗で。


今でも鮮明に記憶されている。


そして、中一にしてはキザ過ぎたお兄ちゃんの名言もね。


「また・・・」


私は窓をしめた。


「一緒に星空を見ること・・・できるかな・・・」


お兄ちゃん・・・いや。


翔と・・・。





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