~side紗希~
翔が私を無視し続けて3日が経った。
この3日間は拷問。
好きな人が傍にいるのに一切話ができない。
これほど苦痛になることはなかった。
なんで、翔は私を無視するんだろう?
家での会話も最低限。
そして、素っ気ない。
お母さんからも言われた。
「あなたたち何かあったの?」って。
翔はなにもないよと答え、私は黙り込む。
何もない?
だったら話しかけてよ。
そう言いたけど、翔の後ろ姿が遠く感じて話しかけられない。
もしかしたら・・・ずっとこのままなのかな?
そんなことを思ってしまう。
もしも、私が怒らせてしまったとか明確な理由があるなら、話は簡単だ。
私が謝ればいい。
それで済む。
少し経てば前と同じように話したりすることができる。
でも・・・。
理由が分からない。
下手に謝るわけにもいかない。
私はどうすればいい・・・?
どうすれば、三日前と同じような二人に戻れる?
考えても考えても浮かばない答え。
三日間、ずっと同じようなことを考えているはずなんだけど。
自分の部屋に戻って、私はベッドにダイブした。
胸のあたりに衝撃が走る。
けど、そんな外側からの胸の痛みなんてものは大したことはない。
内側からの方がよっぽど痛い。
翔がいる隣の部屋からはなにも聞こえない。
もう・・・寝たのだろうか?
それとも、ただ聞こえないだけか。
カチ・・・カチ・・・カチ・・・。
時計の音だけが部屋を覆う。
この一秒一秒が、どんどん私たちの距離を開けていくようで・・・。
『怖い』
不意にその単語が私の頭の中を駆け巡った。
いつかは離れていくものだけど、今はまだ早い。
離れたくない。
そしてできれば、ずっと一緒にいたい・・・。
無理な願い。
こうやって、翔が私から離れれば離れるほどこの想いが強くなっていく。
「やばいなぁ・・・」
重すぎる自分に嫌気がさして、私は窓を開けた。
風が当たって気分転換にはちょうど良いものになる。
窓から見える星空。
それはすごく綺麗な結晶のようなもの。
今日は天気が良かったので、星空は眩しすぎるくらい鮮明に目に映る。
その中心にあるのは一番綺麗な星。
そう、月だ。
月は闇夜に照らす星々の中で、一番輝いている星。
その星は私たちに様々な形をみせてくれる。
満月や三日月、そして新月。
満月の夜は男の子はおおかみになる。
そんなこと誰かが言ってたっけ。
私は、視点を月からちりばめられた星々に移した。
こうやって見ていると、昔のことを思い出す。
小学校の頃、お母さんと喧嘩をしてどこへ行くあてもなく私は家を飛び出した。
それも夜にだ。
真っ暗で心細くなった私は、道路沿いで泣きだす。
泣きながら、まっすぐに歩いていくけれど、足もだんだん言うことを聞かなくなって、その場に座り込む。
そこで、30分くらいかな?
ずっと泣いていた。
そして、涙も枯れて、どうすればいいかわからなくなった時だ。
後ろから声が聞こえた。
「紗希、紗希!!」って。
振り向くとそこには、汗だくのお兄ちゃんがいたんだ。
私は抱きついて「寂しかったよ」そう言った。
お兄ちゃんと2人で帰る時、手を繋いで帰ったのを覚えている。
その時のお兄ちゃんの手はすごく温かかった。
「紗希」
お兄ちゃんの声変りがしてない声が私を呼ぶ。
「何?」
「空を見上げてごらん」
「わぁ・・・!」
その日の星空はとても綺麗で。
今でも鮮明に記憶されている。
そして、中一にしてはキザ過ぎたお兄ちゃんの名言もね。
「また・・・」
私は窓をしめた。
「一緒に星空を見ること・・・できるかな・・・」
お兄ちゃん・・・いや。
翔と・・・。
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押してくれると嬉しいです!!
なんか、切ない感じですが・・・。
あ、特に書くことがない!!w